平成23年度 2級土木施工管理技術検定試験  種別:鋼構造物塗装 学科試験問題 Page2

※ 問題番号No.1〜No.18 までの18 問題のうちから16 問題を選択し解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No 10 中塗り塗料,上塗り塗料に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 中塗り塗料は,下塗り塗膜の色を隠ぺいしたり,下塗り塗膜と上塗り塗料の密着性を向上させるため,上塗り塗料に近い色の密着性のよい塗料が用いられる。
2 鉛・クロムを含むオレンジや黄色の着色顔料の代わりに有機着色顔料を使用する場合は,着色顔料より隠ぺい力が劣るため上塗りを2回以上塗装することが必要な場合がある。
3 上塗り塗料は,着色や光沢など所要の外観を得ることと,水や酸素の塗膜内への浸透を抑制するため,着色顔料と緻密な被膜を形成する樹脂が用いられる。
4 上塗り塗料の色が隠ぺい力の小さい白や黒の場合は,中塗り塗料の色や塗付量が適切でないと上塗りの色調が所要のものとならず,上塗り塗料の使用量を増やすことが必要となる。

解答と解説: 

答え--- 4

使用量を増やすことが必要なのは、下塗りである。

No 11 鋼道路橋の塗装仕様に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 一般環境に架設される場合で特にLCC(ライフサイクルコスト)を考慮する必要のない場合や,10年以内に架け替えが予定されている場合などでは,鉛・クロムフリーさび止めペイントを使用するA−5塗装系を適用できる。
2 C−5塗装系では,工場塗装した塗膜と現場塗装した塗膜の塗膜間での付着力の低下を防ぎ,均質で良好な塗膜を形成させるため,塗装は上塗りまで橋梁製作工場で塗装する全工場塗装とする。
3 A−5塗装系では,下塗りまでを工場塗装し,現場で中塗り,上塗りを行うが,工場塗装と現場塗装の間隔が6ヶ月以上経過し,工場塗装塗膜に劣化がある場合は,塗替塗装仕様Rc−U塗装系を適用できる。
4 箱桁や鋼製橋脚などの閉断面部材の内面は,結露や漏水などにより部材内に滞水した水により鋼材が腐食しやすく,部材内面は塗膜の点検機会が少なく塗替えも容易でないので,耐候性に優れたD塗装系を適用する。

解答と解説: 

答え--- 2
C−5塗装系では全工場塗装とする。
20年以内に架け替えが予定されている場合などでは,鉛・クロムフリーさび止めペイントを使用するA−5塗装系を適用できる。
塗替塗装仕様Rc−U塗装系を適用できる場合、旧塗膜はB、b、c塗装系である。
D塗装系は内面塗装である。

No 12 溶融亜鉛めっき面の塗装に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 溶融亜鉛めっき面は,時間の経過とともに金属光沢が消失して灰色に変わったり,黒変したり白さびが生じることがあるため,亜鉛めっき部材の美観性を高めたり,景観的な違和感をなくすため塗装されることがある。
2 溶融亜鉛めっき面に塗装する際の素地調整として用いられるりん酸塩処理は,亜鉛めっき表面に活性なりん酸塩の大きな結晶を形成させることで,塗装面をめっき面よりも化学的に安定で,かつ塗膜付着性がよい適度な粗さを得ることができる。
3 溶融亜鉛めっき面に塗装する際の素地調整として用いられるスィープブラスト処理は,表面の付着物をより高度に除去するとともに,表面粗度を確保することで塗膜の内部応力による付着力の低下を防ぎ,長期の安定した密着性を確保するのに有効な方法である。
4 溶融亜鉛めっき面は,化学的に活性であるため海岸地帯のように飛来塩分の多い厳しい腐食環境では早期に亜鉛が消耗するなど耐久性が確保できない場合があり,長期耐久性を保持するためには耐薬品性があり透水性の小さな塗料を用いる。

解答と解説: 

答え--- 2
りん酸塩処理はパーカライジング法やボンデライト法といわれるもので、リン酸と第一リン酸塩からなる溶液で亜鉛を処理し、水に不溶性の第二リン酸塩を亜鉛表面に沈着析出し、皮膜形成させるもの。
りん酸塩の大きな結晶は極めて脆く塗膜付着性の阻害要因である。発生しないように溶液管理をする必要がある。

No 13 現場連結部の塗装に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 現場連結部は,塗料が付きにくく一般部に比べ塗膜の弱点となりやすいので防せい(錆)処理高力ボルトを用いるか,長期耐久性に必要な膜厚確保のため超厚膜形エポキシ樹脂塗料を用いる。
2 防せい(錆)処理トルシア形高力ボルトを用いる場合は,ピンテール跡が鋭利な形状をすることが多く塗膜が付きにくいので,ピンテール跡はグラインダなどで平滑にする。
3 現場溶接部の塗装範囲は,塗装品質を確保するために必要な範囲と溶接焼けの関係から,開先面から概ね10 cm 以内の部分とする。
4 現場溶接部の塗装では,十分な養生を行いスプレー塗装が望ましいが,はけ塗りを行う場合には,下塗りの変性エポキシ樹脂塗料が必要膜厚を1回では得られないので2回塗りする。

解答と解説: 

答え--- 4
均一に仕上がるスプレーは工場における塗装に採用する。現場連結部や補修に際しては刷毛又はローラーにて施工する。

No 14 塗付作業に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 工場塗装では,エアレススプレー塗装が原則であるが,小物部材や凹凸部,エッジ部などで塗料の飛散が多く塗膜が薄くなりやすいので,これらの部分にははけで先行塗装する。
2 塗付作業に際しては,各塗付方法の特徴を理解して,塗り残し,むら,すけなどの欠陥を生ずることなく,均一な厚さに塗付する。
3 塗料が十分乾燥する前に,降雨,降雪,降霜がある場合には,その乾燥程度にもよるが,塗料が流れたり塗膜にクレーター状の凹凸や水膨れを生じたり,変退色や白亜化することがある。
4 結露は,気温,湿度,塗付面の関係が露点条件を満たすときに生じるため,塗付作業中もこれらの測定を行い結露の可能性を予知することが必要であり,相対湿度が85%以上のときは塗装を行わない。

解答と解説: 

答え--- 3
塗料が十分乾燥する前に塗膜に雨がかかった場合は、膨れが発生する。変退色や白亜化(チョーキング)は雨がかりではなく、紫外線による劣化である。


No 15 塗装の塗り重ね間隔に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 塗装の塗り重ね間隔が短い場合は,未乾燥の下層塗膜はしわが生じやすくなる。
2 塗装の塗り重ね間隔は,付着性をよくし良好な塗膜を得るため重要な要素であり,塗料に依らず一定の間隔を守る必要がある。
3 塗装の塗り重ね間隔が短く乾燥が不十分な場合の上層塗膜は,層間はく離が生じやすくなる。
4 塗装の塗り重ね間隔が長い場合には,上層の塗膜に膨れが生じやすくなる。
 

解答と解説: 

答え--- 1
塗り重ね間隔が短い場合、下層塗膜はしわが生じやすい
塗り重ね間隔は上塗り塗料の特性により異なる。
上層塗膜のはく離は、下塗り塗料と合っていない組み合わせが考えられる。塗り重ね間隔は関係ない。
上層の塗膜に膨れは下地が乾いていない場合など、重ね間隔が短い場合に生じる。

No 16 塗替え塗装仕様に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 素地調整程度1種を行って全面の塗膜を除去した場合は,下塗りから上塗りまで,はけ・ローラーで塗装を行う。
2 LCC(ライフサイクルコスト)や環境対策などを考慮する塗装の塗替えでは,従来よりも耐久性の優れる重防食塗装系を基本とするとよい。
3 工事の制約によって素地調整程度1種ができない場合は,素地調整程度3種で処理し塗替えを行ってもよいが,この場合の塗膜の耐久性は大幅に劣る。
4 箱桁内面などの閉鎖された空間での塗替え塗装では,無溶剤形変性エポキシ樹脂塗料で行うのがよい。

解答と解説: 

答え--- 1
無溶剤形変性エポキシ樹脂塗料でも可燃性溶剤と扱われるので換気が出来る場所で作業すること。



No 17 塗膜の劣化現象に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 はがれ(はく離)は,塗膜と鋼材面あるいは塗膜と塗膜の間の付着力が低下した時に生じ,塗膜が欠損している状態である。
2 退色は,紫外線などにより塗膜表面がチョーキングを起こしたり,塗膜中の顔料の性能が低下するなどして,塗膜の色が薄れることをいう。
3 クラッキングは,塗膜の表層に生じる比較的軽度な割れのことである。
4 チョーキングは,塗膜の表面が粉化して次第に消耗していく現象である。

解答と解説: 

答え--- 3
クラッキング(ひび割れ)は、塗膜に生じる割れであり、厚塗り時などの欠陥なので軽度とは言えない。


No 18 塗膜の点検,評価に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 定期点検では,塗膜外観を調査し塗膜の状態を標準写真などと対比して4段階「1)健全,2)ほぼ健全,3)劣化している,4)劣化が著しい」に評価するのがよい。
2 さびは,標準写真と対比して4段階に評価し,その際,外部から飛来し塗膜表面に付着したいわゆるもらいさびであることが明確な場合は,さびとは評価せずに汚れとして評価する。
3 割れは,標準写真と対比し4段階に評価し,その際,割れが鋼材に達している場合にはさびとして評価する。
4 はがれは,標準写真と対比して4段階に評価し,その際,はがれが鋼材面から生じている場合にはさびとして評価する。

解答と解説: 

答え--- 3
維持修繕基準では、さび、はがれは標準写真と対比し4段階に評価される。
割れには基準がない。橋梁などの点検は双眼鏡を用いての外観検査なので、割れで細かい区分はしにくい。


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