平成27年度 1級造園施工管理技術検定試験  午前問題(問題A) Page1

※ 問題はすべて必須ですから、36問題全部を解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
Google
No 1 日本庭園に関する「庭園名」、「庭園様式」、「庭園が作庭された時代」の組合せとして、適当なものはどれか。
(庭園名) (庭園様式) (庭園が作庭された時代)
1 金地院庭園 ---- 枯山水式 --- 平安時代
2 龍安寺方丈庭園 ---- 池泉廻遊式 ---- 鎌倉時代
3 天龍寺庭園 ---- 枯山水式 ---- 安土桃山時代
4 六義園 ---- 池泉廻遊式 ---- 江戸時代

解答と解説: 

答え--- 4

金地院庭園は枯山水で江戸時代の作庭。龍安寺方丈庭園は枯山水石庭で室町末期だと言われている。天龍寺庭園は池泉廻遊式で鎌倉時代。六義園は回遊式築山泉水庭園で江戸時代に柳沢吉保が造園した。


No 2 我が国の公園制度に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
 1 明治6年に公園開設の太政官布達が公布され、これが我が国の公園制度の始まりと解されている。
2 大正12年の関東大震災により公園の防災上の重要性が認識され、復興に際して新たな公園が整備された。
3 昭和31年に都市公園に関する基本法として都市公園法が制定され、公園管理の法制度が確立した。
4 昭和39年の東京オリンピックの準備のために都市公園等整備緊急措置法が制定され、会場となる公園が整備された。

解答と解説: 

答え--- 4

都市公園等整備緊急措置法は東京オリンピックは関係ない。(昭和47年公布)自動車が増え、子供が安全に遊べる場所がなく、学校も開放されていない場合が多いので、緊急に整備する必要があるようになったので交付されたもの。現在は長期計画に一本化されているので廃止されている。



No 3 土壌に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1 pHは、土壌の化学性を特徴づける基本的な項目であり、一般に、pH3〜4であれば植物の生育に適している。
2 市街地では、コンクリートの構造物や舗装が地表を覆い、土壌が乾燥する影響等で、一般に、土壌が酸性化する傾向がある。
3 酸性の強い土壌に対しては、一般に、炭酸カルシウムなどを混合してpHを改良する。
4 雨の多い我が国では、土壌中の塩基類が溶脱して、一般に、土壌がアルカリ性になりやすい。

解答と解説: 

答え--- 3

pH3〜4は強い酸性で植物育成には適さない。pH6程度が良い。雨が多い我が国では溶脱するので酸性化しやすい。よって、コンクリートの構造物や舗装が地表を覆っていれば酸性化しにくくなる。



No 4 腐植に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 腐植は、土壌のpHの変化に対する緩衝能を有し、また、植物の生育障害要因となるアルミニウムイオンの作用を抑制する。
2 腐植は、土壌の団粒構造の形成を促進し、土壌の保水性を良好にする。
3 腐植は、植物に必要な養分を保持するとともに、徐々に植物に供給する働きがある。
4 腐植は、土壌中の微生物の活動を阻害する働きを有し、これにより土壌有機物の分解が抑制される。

解答と解説: 

答え--- 4

腐植は、土壌中の微生物の活動を活発にする働きがあり、分解も促進される。


No 5 植物の虫害に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 カイガラムシ類の幼虫・成虫は、植物の枝や幹、葉から汁液を吸収し、植物を衰弱させる。
2 カミキリムシ類の幼虫は、樹皮下や材部を食害し、枝や幹が枯れることがある。
3 ハムシ類の幼虫・成虫は、植物の芽や新葉などに群生して汁液を吸収し、植物の生育を妨げる。
4 コガネムシ類の幼虫は、地中に生息して植物の根を食害し、苗木・幼木を枯死させる。

解答と解説: 

答え--- 3

ハムシ類は植物の葉や根を加害する。汁液を吸収でなく食す。



No 6 植生に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 二次遷移とは、火山の溶岩流の上など、生育基盤となる土壌が形成されていない場所に始まる遷移をいう。
2 我が国の植生は、一般に、裸地→一年生草本→多年生草本→陽樹林→陰樹林の順に遷移する。
3 潜在自然植生とは、ある土地の植生に対する人為的干渉がすべて停止されたとき、その土地の環境条件が支えうると推定される自然植生をいう。
4 極相とは、遷移の終局段階に見られるその土地の環境条件下で永続的に種組成や構造の安定した植生状態をいう。

解答と解説: 

答え--- 1

火山の溶岩流の上など、全く生物を含まないところから始まるのは一次遷移。二次遷移は基質の土壌が存在し、そこから土壌へ根、土壌動物などが含む遷移のこと。


No 7 造園樹木に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 サンゴジュ、ナナカマド、ハナミズキは赤色系の実をつける。
2 コブシ、ヒュウガミズキ、ロウバイは白色系の花が咲く。
3 サンシュユ、ヤマブキ、レンギョウは黄色系の花が咲く。
4 イタヤカエデ、カツラ、ユリノキは秋に黄葉する。

解答と解説: 

答え--- 2

コブシ--白、ヒュウガミズキ--淡い黄色、ロウバイ--淡い黄色



No 8 造園樹木の性質に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 アカマツ、スギ、ニシキギは大気汚染に対する耐性に優れている。
2 イチョウ、サンゴジュ、モチノキは防火力に優れている。
3 イチイ、ナワシログミ、ムクノキの実は野鳥の誘引性に優れている。
4 ウバメガシ、マサキ、マテバシイは耐潮性に優れている。

解答と解説: 

答え--- 1

アカマツ、スギ、ニシキギは大気汚染に弱い。


No 9 花壇に用いられる植物に関する組合せとして、適当でないものはどれか。
1 春播き一年草 ---- コスモス、サルビア、マツバボタン
2 秋播き一年草 ---- アネモネ、ジニア、フクジュソウ
3 宿根草 ---- アルメリア、キキョウ、ジャーマンアイリス
4 球根類 ---- スイセン、ヒアシンス、ムスカリ

解答と解説: 

答え--- 2

アネモネは球根。ジニア(ヒャクニチソウ)は春播き一年草、フクジュソウは宿根草である。



No10 石材の基本的性質に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 安山岩は火成岩のうち火山岩に属し、石質は堅硬で耐火性が大きい。主な石材として鉄平石がある。
2 花崗岩は火成岩のうち深成岩に属し、石質は堅硬だが耐火性が小さい。主な石材として稲田石がある。
3 結晶片岩は炭酸カルシウムを主成分とする堆積岩であり、石質は堅硬で耐火性が大きい。主な石材として伊予青石がある。
4 凝灰岩は火山灰や細砂が堆積した堆積岩であり、石質は軟質で耐火性が大きい。主な石材として大谷石がある。

解答と解説: 

答え--- 3

結晶片岩は広域変成岩。地下深いマントルプレートのあたりで形成される変成岩である。石英、雲母などが主成分である。炭酸カルシウムを主成分とする堆積岩は石灰岩のこと。



No11 造園材料に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 まさ目の板は板目の板に比べて伸縮が不均一で、不規則な変形をする。
2 硬質ポリ塩化ビニル管は、VP、VUなどの種類があり、VPはVUに比べて管の肉厚が厚い。
3 マダケは、モウソウチクに比べて材質が強靭で、弾力性に富む。
4 焼過ぎれんがは、普通れんがに比べて強度が大きく、吸水率が低い。

解答と解説: 

答え--- 1

不規則な変形をするのは「もく目」の板である。まさ目(柾目)は均一に木目が整列している板である。



No12 日本庭園における役木に関する記述のうち、適当なものはどれか。
1 飛泉障りの木は、滝の姿をあらわに見せないように、滝口付近または滝の手前に枝の一部で隠す形で植栽される樹木で、マツ、イブキ、イチイ、モミジなどが用いられる。
2 見越しの松は、水面と地表が連絡しているように、池泉に枝を差し出す形で植栽される樹木で、マツ以外にもモミやコウヤマキなどが用いられる。
3 正真木は、門や園路の前方で目立つ場所に植栽される樹木で、一般に大木で姿のよいケヤキ、イチョウ、カヤ、モッコクなどが用いられる。
4 灯籠控えの木は、枝葉が石灯籠の火口にかかるように植栽される樹木で、カエデなどの枝葉がしなやかな落葉樹が主に用いられる。

解答と解説: 

答え--- 1

池泉に枝を差し出す形で植栽される樹木は「流枝の松」、灯籠控えの木は石灯籠の脇や後ろに植える木で常緑樹が使用される。カエデは落葉樹。枝葉が石灯籠の火口にかかるように植栽される樹木は「灯障りの木(ひざわりのき)」。正真木(しょうしんぼく)は一般に常緑の高木が使用されるので落葉のイチョウやケヤキなどは適さない。



TOP 次のページへ
平成27年1級造園施工管理技士
学科試験_午前問題 No.1〜No.12
No.13〜No.24
No.25〜No.36
午後問題 No.1〜No.15
No.16〜No.29
実地試験_ No.1〜No.5