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※ 問題番号〔No.16〕〜〔No.49〕 までの34 問題のうちから10 問題を選択し解答してください。


No16 鋼道路橋に用いる耐候性鋼材に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 耐候性鋼材の箱桁や鋼製橋脚などの内面は、閉鎖された空間であり結露が生じやすく、耐候性鋼材の適用可能な環境とならない場合には、普通鋼材と同様に内面用塗装仕様を適用する。
2 耐候性鋼用表面処理剤は、塩分過多な地域でも耐候性鋼材を使用できるように防食機能を向上させるために使用する。
3 耐候性鋼材は、普通鋼材に適量の合金元素を添加することにより、鋼材表面に緻密なさび層を形成させ、これが鋼材表面を保護することで鋼材の腐食による板厚減少を抑制する。
4 耐候性鋼橋に用いる高力ボルトは、主要構造部材と同等以上の耐候性能を有する耐候性高力ボルトを使用する。

解答と解説: 

答え--- 2
耐候性鋼材であっても、塩分過多な地域ではそのままでは向いていない。


No17 鋼道路橋の溶接の施工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 溶接を行う部分は、溶接に有害な黒皮、さび、塗料、油などを取り除いた後、溶接線近傍を十分に湿らせる必要がある。
2 エンドタブは、部材の溶接端部の品質を確保できる材片を使用するものとし、溶接終了後、除去しやすいように、エンドタブ取付け範囲の母材を小さくしておく方法がある。
3 組立溶接は、組立終了時までにスラグを除去し溶接部表面に割れがある場合には、割れの両端までガウジングをし、舟底形に整形して補修溶接をする。
4 部材を組み立てる場合の材片の組合せ精度は、継手部の応力伝達が円滑に行われ、かつ継手性能を満足するものでなければならない。

解答と解説: 

答え--- 4
溶接部分は乾燥させていなければならない。エンドタブの母材は大きくしておく。溶接部表面に割れがある場合、欠陥の両端から50mm以上長めにガウジング(はつり)をし、舟底形に整形して補修溶接をする。


No18 鋼道路橋における高力ボルトの締付け作業に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 フィラーは、継手部の母材に板厚差がある場合に用いるが、肌隙などの不確実な連結及び腐食などを防ぐため、複数枚を重ねて使用する。
2 ボルト軸力の導入は、ナットを回して行うのを原則とするが、やむを得ずボルトの頭を回して締め付ける場合は、トルク係数値の変化を確認する。
3 摩擦接合では、接合される材片の接触面を塗装しない場合は、所定のすべり係数が得られるよう黒皮、浮きさび、油、泥などを除去し粗面とする。
4 トルシア型高力ボルトを使用する場合は、予備締めに作業能率のよいトルク制御式インパクトレンチを使用することができ、本締めには専用締付け機を使用する。

解答と解説: 

答え--- 1
フィラープレートはあボルト接合した部分に、1ミリ以上の肌隙ができたた時に入れる鉄板のこと。最小限の枚数、基本は1枚のみを使用する。


No19 コンクリート構造物の劣化とその特徴に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 凍害による劣化のうち、スケーリングは、ペースト部分の品質が劣る場合や適切な空気泡が連行されていない場合に発生するものである。
2 塩害による劣化は、コンクリート中の塩化物イオンの存在により鋼材の腐食が進行し、腐食生成物の体積膨張によりコンクリートのひび割れやはく離・はく落や鋼材の断面減少が起こる。
3 中性化による劣化は、大気中の二酸化炭素がコンクリート内に侵入しコンクリートの空げき中の水分のpHを上昇させ鋼材の腐食により、ひび割れの発生、かぶりのはく落が起こる。
4 アルカリシリカ反応による劣化のうち、膨張にともなうひび割れは、コンクリートにひび割れが顕在化するには早くても数年かかるので、竣工検査の段階で目視によって劣化を確認することはできない。

解答と解説: 

答え--- 3
中性化によるコンクリート構造物の劣化は,二酸化炭素の侵入によるpH低下→不動態被膜の破壊→鉄筋腐食の発生進行→腐食膨張圧によるコンクリートひび割れ→かぶりコンクリートの浮き・はく離という過程を経る。



No20 損傷を生じた既設コンクリート構造物の補修に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 断面修復工法は、劣化又は損傷によって喪失した断面やコンクリートの劣化部分を除去し、ポリマーセメントなどで当初の断面寸法に修復する工法である。
2 電気防食工法は、塩害の対策として用いられるが、アルカリシリカ反応と塩害が複合して劣化を生じたコンクリート構造物に適用すると、アルカリシリカ反応を促進することがある。
3 シラン系表面含浸材を用いた表面処理工法は、コンクリート中の水分低減効果が期待できるのでアルカリシリカ反応抑制効果が期待できる。
4 有機系表面被覆工法は、被覆に用いる塗膜に伸縮性があるため、コンクリート中に塩化物イオンが多く浸透した状態での補修に適している工法である。

解答と解説: 

答え--- 4
塩化物イオンが多く浸透した状態であれば、モルタル系吹付けのような無機系表面被覆工法が一般的である。





No21 河川堤防の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 既設堤防の拡幅に用いる堤体材料は、表腹付けには既設堤防より透水性の小さい材料を、裏腹付けには既設堤防より透水性の大きい材料を原則として使用する。
2 築堤盛土の締固めは堤防横断方向に行い、締固めに際しては締固め幅が重複するよう留意して施工する。
3 築堤土は、粗い粒度から細かい粒度までが適当に配合されたものがよく、土質分類上は粘性土、砂質土、礫質土が適度に含まれていれば締固めを満足する施工ができる。
4 既設の堤防に腹付けを行う場合は、新旧堤防をなじませるため段切りを行うとともに、段切り面の水平部分には横断勾配をつけることで施工中の排水に注意する。

解答と解説: 

答え--- 2
締固めは河川堤防法線に平行に行うことが望ましく、締固めに際しては締固め幅が重複して施工されるように留意する。


No22 河川護岸に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 法覆工に連節ブロックなどの透過構造を採用する場合は、裏込め材の設置は不要となるが、背面土砂の吸出しを防ぐため、吸出し防止材の布設が代わりに必要となる。
2 河川護岸には、一般に水抜きは設けないが、掘込河道などで残留水圧が大きくなる場合には必要に応じて水抜きを設けるものとする。
3 石張り又は石積みの護岸工には、布積みと谷積みがあるが、一般に布積みが用いられることが多い。
4 横帯工は、法覆工の延長方向の一定区間ごとに設け、護岸の変位や破損が他に波及しないよう絶縁するために施工する。

解答と解説: 

答え--- 3
布積みは横方向に揃えて積む方法、谷積みは一定の谷ができるように石を斜めにして積む方法。 石材相互にせり持ち作用が働くので、布積みよりも安定性があるので護岸工事には採用されることが多い。


No23 堤防を開削する場合の仮締切り工の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 堤防の開削は、仮締切り工が完成する以前に開始してはならず、また、仮締切り工の撤去は、堤防の復旧が完了、又はゲートなど代替機能の構造物ができた後に行う。
2 鋼矢板の二重仮締切り内の掘削は、鋼矢板の変形、中埋め土の流出、ボイリング・ヒービングの兆候の有無を監視しながら行う必要がある。
3 仮締切り工は、開削する堤防と同等の機能が要求されるものであり、天端高さ、堤体の強度の確保はもとより、法面や河床の洗掘対策を行うことが必要である。
4 鋼矢板の二重仮締切り工に用いる中埋め土は、壁体の剛性を増す目的と鋼矢板に作用する土圧をできるだけ低減するために、粘性土とする。

解答と解説: 

答え--- 4
粘性土は土圧が高くなるので土圧を低減するという目的では用いられない。



No24 砂防えん堤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 砂防えん堤の基礎部が砂礫の場合で基礎仕上げ面に大転石が存在するときは、半分が地下にもぐっていると予想されるものは取り除く必要はない。
2 高さ15m以上の砂防えん堤で、基礎岩盤のぜい弱部が存在する場合は、コンクリートでの置き換えやグラウチングによって力学性質を改善するなどの対応を行う必要がある。
3 高さ15m以上の砂防えん堤で、基礎岩盤のせん断摩擦安全率が不足する場合は、えん堤の底幅を広くしたり、カットオフを設けるなどの対応を行う必要がある。
4 砂防えん堤の基礎部が砂礫の場合は、ドライワークが必要で水替えを十分に行い、水中掘削は行ってはならない。

解答と解説: 

答え--- 1
仕上げ面に大転石があり、その2/3以上が地下にもぐっていると予想されるものは、水洗いを行い、コンクリートで巻き込み処理する。


No25 渓流保全工に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。
1 渓流保全工は、洪水流の乱流や渓床高の変動を抑制するための縦工、及び側岸侵食を防止するための横工を組み合わせて設置される。
2 護岸工は、渓岸の侵食や崩壊を防止すること、及び床固め工の袖部の保護などを目的として設置される。
3 床固め工は、同一の勾配が長い距離で続く場合、その区間の中間部において過度の渓床変動を抑制するために設置される。
4 帯工は、渓床の勾配変化点で落差を設けることにより、上流の勾配による物理的な影響をできる限り下流に及ぼさないように設置される。

解答と解説: 

答え--- 2
渓流保全工は、渓流にて土砂や水が安全に流れるようにするための工事。床固工と護岸工を併用するのが一般的である。
床固工は、渓床勾配の折点に施工して段差を設ける。勾配が連続すると流速が速くなるので段差等で抑制する。
帯工は、床固め工間において床固め工間隔が大きい場合、局所的洗掘により河岸に悪影響 を及ぼすことが多く、その対策として用いられる。




No26 急傾斜地崩壊防止工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 切土工は、斜面を構成している不安定な土層や土塊をあらかじめ切り取る、あるいは斜面を安定な勾配まで削り取る工法である。
2 グラウンドアンカー工は、表面の岩盤が崩落又ははく落するおそれがある場合や不安定な土層を直接安定した岩盤に緊結する場合などに用いられる。
3 コンクリート張工は、斜面の風化や侵食、岩盤の軽微なはく離や崩落を防ぐために設置され、天端及び小口部は岩盤内に水が浸入しないように地山に十分巻き込むことが重要である。
4 もたれ式コンクリート擁壁工は、斜面崩壊を直接抑止することが困難な場合に斜面脚部から離して設置される擁壁である。

解答と解説: 

答え--- 4
斜面の崩壊を直接抑止することが困難な場合、斜面下部(脚部)より離して重力式擁壁を設置 し、崩壊土砂を待受けるのは、待受式コンクリート擁壁工である。


No27 道路のアスファルト舗装における路床の安定処理の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 安定材を散布する場合は、散布に先立って現状路床の不陸整正や、必要に応じて仮排水溝の設置などを行う。
2 安定材の混合は、散布終了後に適切な混合機械を用いて所定の深さまで混合し、混合中は深さの確認を行い、混合むらが生じた場合は再混合する。
3 安定材に粒状の生石灰を使用する場合は、一回目の混合が終了したのち仮転圧し、生石灰の消化(水和反応)が終了する前に再度混合し転圧する。
4 安定材の散布及び混合に際して粉塵対策を施す必要がある場合は、防塵型の安定材を用いたり、混合機の周りにシートの設置などの対策をとる。

解答と解説: 

答え--- 3
安定材に粒状の生石灰を使用する場合、1回目の混合が終了したのち石灰の消化の終了を待ってから再度混合する。



No28 道路のアスファルト舗装における上層路盤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 石灰安定処理工法は、骨材中の粘土鉱物と石灰との化学反応により安定させる工法であり、セメント安定処理工法に比べて強度の発現が早い。
2 セメント安定処理工法は、骨材にセメントを添加して処理する工法であり、強度が増加し、含水比の変化による強度の低下を抑制できるため耐久性が向上する。
3 粒度調整工法は、良好な粒度になるように調整した骨材を用いる工法であり、敷均しや締固めが容易である。
4 瀝青安定処理工法は、骨材に瀝青材料を添加して処理する工法であり、平坦性がよく、たわみ性や耐久性に富む。

解答と解説: 

答え--- 1
石灰安定処理工法は、土中の水分の反応時に発熱して水分を蒸発させるとともに土の温度が上昇し、石灰と土の結合作用を促進させる方法。


No29 道路のアスファルト舗装における表層及び基層の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 アスファルト混合物の敷均しは、使用アスファルトの温度粘度曲線に示された最適締固め温度を下回らないよう温度管理に注意する。
2 アスファルト混合物の二次転圧は、適切な振動ローラを使用すると、タイヤローラを用いた場合よりも少ない転圧回数で所定の締固め度が得られる。
3 締固めに用いるローラは、横断勾配の高い方から低い方へ向かい、順次幅寄せしながら低速かつ一定の速度で転圧する。
4 施工の継目は、舗装の弱点となりやすいので、上下層の継目が同じ位置で重ならないようにする。

解答と解説: 

答え--- 3
締固めは低い方から高い方に転圧する。


No30 道路のアスファルト舗装の補修工法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 オーバーレイ工法は、既設舗装の上に、厚さ3cm 以上の加熱アスファルト混合物層を舗設する工法である。
2 切削工法は、路上切削機械などで路面の凸部などを切削除去し、再生用添加剤を加え再生した表層を構築する工法である。
3 薄層オーバーレイ工法は、既設舗装の上に、厚さ3cm 未満の加熱アスファルト混合物を舗設する工法である。
4 パッチング及び段差すり付け工法は、ポットホール、くぼみ、段差などを加熱アスファルト混合物や常温混合物などで応急的に充てんする工法である。

解答と解説: 

答え--- 2
切削工法は、路上切削機械などで路面の凸部などを切削除去するだけの工法で、後半は路上表層再生工法の説明である。併用されることはあるが別の工法の説明が一緒になっている。


No31 排水性舗装に使用するポーラスアスファルト混合物の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 タックコートは、舗設するポーラスアスファルト混合物層とその下層との接着をよくするために、原則としてゴム入りアスファルト乳剤を使用する。
2 敷均しは、通常のアスファルト舗装の場合と同様に行うが、温度の低下が通常の混合物よりも早いためできるだけ速やかに行う。
3 初転圧及び二次転圧は、ロードローラを用いた締固めにより所定の締固め度を確保する。
4 仕上げ転圧には、表面のきめを整えて、混合物の飛散を防止する効果を期待して、振動ローラを使用する。

解答と解説: 

答え--- 4
振動ローラは仕上げ用として使用されることは無い。


No32 道路のコンクリート舗装のセットフォーム工法による施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 コンクリート版の表面は、水光りが消えるのを待って、ほうきやはけを用いて、すべり止めの細かい粗面に仕上げる。
2 隅角部、目地部、型枠付近の締固めは、棒状バイブレータなど適切な振動機器を使用して入念に行う。
3 横収縮目地に設ける目地溝は、コンクリート版に有害な角欠けが生じない範囲内で早期にカッタにより形成する。
4 コンクリートの敷均しは、材料が分離しないように、また一様な密度となるように、レベリングフィニッシャを用いて行う。

解答と解説: 

答え--- 4
レベリングフィニッシャは平坦仕上げ機械である。敷きならしはスプレッダを用いる。又、締固めにはコンクリートフィニッシャを用いる。



No33 ダムの基礎掘削に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
1 基礎掘削は、掘削計画面より早く所要の強度の地盤が現れた場合には掘削を終了し、逆に予期しない断層や弱層などが現れた場合には、掘削線の変更や基礎処理を施さなければならない。
2 掘削計画面から3m 付近の粗掘削は、小ベンチ発破工法やプレスプリッティング工法などにより施工し、基礎地盤への損傷を少なくするよう配慮する。
3 仕上げ掘削は、一般に掘削計画面から50 cm 程度残した部分を、火薬を使用せずに小型ブレーカや人力により仕上げる掘削で、粗掘削と連続して速やかに施工する。
4 堤敷外の掘削面は、施工中や完成後の法面の安定性や経済性を考慮するとともに、景観や緑化にも配慮して定める必要がある。

解答と解説: 

答え--- 3
仕上げ掘削は、掘削線付近の基礎地盤に損傷を与えないように施工するため、掘削面から50cm程度を、発破を使わず人力やツインヘッダー等により丁寧に掘削する部分で、粗掘削とは分離して堤体の盛立または打設前に行われる。





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