平成23年度 1級土木施工管理技術検定試験  午後問題(問題B) Page2

※ 問題番号No.1〜No.35 までの35 問題は必須問題ですから全問題を解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No19 建設現場で行った足場,作業床などに関する記述のうち,適当でないものはどれか。
1 高さ2m以上の作業床の作業では,墜落防止対策として高さ85 cm以上の手すり及び中さん,幅木を設置した。
2 高さ2m 以上で墜落の危険のおそれがあったので,作業床を設置した。
3 移動はしごを使用した作業では,すべり止め装置の取り付けその他転位の防止を行った。
4 移動式足場上に作業員を乗せて移動を行うときは,移動式足場上にいる作業員と合図を決め慎重に移動させた。

解答と解説: 

答え--- 4
移動式足場の安全基準に関する技術上の指針 によると、
4−2−3 移動式足場に労働者を乗せて移動してはならない。
あたりまえですね。


No20 工事関係者以外の第三者に対する生命,財産等の危害や迷惑を防止することが必要な区域で施工する土留工について次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 掘削深さが4m を超える重要な仮設土留工の設置箇所において,鋼矢板の根入れ長は慣用法で求めた値が1.5 m であったが2m とした。
2 切取り面にその箇所の土質に見合った勾配を保って掘削できる場合を除き,掘削の深さが1.5 m を超えたので土留工を設置した。
3 掘削深さが4m を超える重要な仮設土留工の設置箇所において,親杭横矢板の土留杭の最小断面の規格は設計計算で求めた値より大きいH-300 mm とした。
4 掘削深さが4mを超える重要な仮設土留工の設置箇所において,親杭横矢板の土留板の木材の板厚は設計計算で求めた値が2cm であったが3cm を最小とした。

解答と解説: 

答え--- 1
慣用法を用いてよいのは掘削深さ3m以下の場合。3m以上10m以下の場合で慣用法を用いても良いのは近接構造物が存在しない場合である。設問では第三者への危害を防止する必要があるとあるので、根入れ長は弾塑性法によって求める必要がある。


No21 移動式クレーンの安全確保に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 定格荷重とは,つり上げ荷重にフック等のつり具の重量を加えた値のことをいい,つり上げや旋回等の際の定格速度とも関係がある。
2 鉄塔脇で荷をつってブームを旋回中は,架空線との離隔がわかりにくいので,荷つり状態のまま運転席から降りて近場から位置関係を再確認する。
3 つり上げ荷重2.9 tのクレーン仕様バックホウでクレーン作業を行うとき,機体重量3t以上の基礎工事用機械の技能講習の修了者であれば運転操作に従事できる。
4 アウトリガーは,過負荷防止装置や性能曲線で確実に定格荷重を下回る場合を除き,最大限に張り出しする。

解答と解説: 

答え--- 4
定格荷重は最大吊荷重から吊り具の重量を引き、実際に吊れる荷の重さの最大値をいう。荷つり状態のまま運転席から降りることは絶対にダメな行為。
5t未満の小型移動式クレーン作業は、小型移動式クレーンの技能講習を受ける必要がある。基礎工事用機械の技能講習は別の資格として扱われる。


No22 建設機械の取り扱いに関する次の記述のうち労働安全衛生法令上,誤っているものはどれか。
1 ブルドーザをリース会社から借り受ける会社は,リース会社が使用上の注意事項等を記載した書面を受け取り,そのブルドーザを使用するときは作業前の点検や定期に自主検査を実施しなければならない。
2 元請会社は下請会社に杭打ち機を貸し,下請会社がその杭打ち機を使用して作業を行う場合,元請会社は杭打ち作業の方法等の作業計画を作成して関係労働者に周知しなければならない。
3 元請会社は下請会社に杭打ち機を貸し,下請会社がその杭打ち機を使用して作業を行う場合,元請会社は安全に仕事ができるよう,危険防止の技術的な指導等必要な措置を行わなければならない。
4 リース会社からブルドーザを運転手付きで借りた会社は,その運転手に作業の内容,指揮系統等を知らせなければならない。

解答と解説: 

答え--- 2
機械貸与に関する特別規則(安衛法33 条)によれば、
貸与する者(設問では元請会社)の措置は、機械の点検、整備を行う。機械の能力、特性、使用上の注意事項を記載した書面を、貸与を受ける事業者に交付する。(安衛則666)
貸与を受けた者(設問では下請会社)の措置は、オペレーターの資格及び技能を確認、
作業内容、指揮系統、連絡、合図の方法、運行に関すること等の通知をする。(安衛則667)
よって、作業計画の作成は下請け会社の業務である。


No23 市街地の供用中の道路に並行して支間30 m の鋼橋の架け替え工事を実施するときの対応として次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 橋桁等を仮置きする場合等で受架台として桁受材(サンドル材)を使用するときは,桁受材は並行にならべて組み上げて,相互に固定しなければならない。
2 橋梁部材や架設用設備の落下等により,工事区域外の第三者に危険を及ぼすおそれのある作業について,一定のふ角と高さで定まる範囲は,防護柵を設置し落下物による危険を防止しなければならない。
3 橋梁部材をクレーンでつり上げるときは,部材の角に半割パイプ,曲げ板等の"やわら"を必ず用いて重量物や長尺物をつり上げる場合は介錯ロープを用いなければならない。
4 橋梁部材や架設用設備の落下又は倒壊により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは,控えの設置,部材又は架設用設備の座屈又は変形の防止のための補強材を取り付ける等をしなければならない。

解答と解説: 

答え--- 1
受架台にサンドル材を使用する場合は、井桁状に組んで使用し、相互にボルトで固定すること。「並行にならべて」は誤り


No24 急傾斜の斜面掘削作業に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 毎日の作業箇所の浮き石,湧水などの地山の点検は,指名された点検者が行い,浮き石や転石を処理するときは監視人を配置した。
2 斜面の切り落とし作業は,原則として上部から下部へ切り落とし,すかし掘りは回避し,やむを得ず上下作業となる箇所に丈夫な防護柵を設け監視人を配置した。
3 斜面を切り落とす岩の節理などの岩の目は,法面の方向と一致している受け盤で,落石の危険があるので落石防護柵を敷設してから切り落とし作業を行った。
4 斜面の切り落としの高さは2m以上となったので安全帯などを使用し,親綱は丈夫な立木に結び,安全帯はグリップなどを使用して親綱と連結した。

解答と解説: 

答え--- 3
受け盤とは、岩盤の割れ目が法面と反対向きに傾斜する地山
流れ盤とは、岩盤の割れ目が法面と同じ向きに傾斜する地山




No25 酸素欠乏症等防止規則に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 酸素欠乏症等は,空気中の酸素濃度が18% 未満で起こる酸素欠乏症のことで,空気中の硫化水素濃度が10 ppmを超える状態で起こる硫化水素中毒症状は含まれていない。
2 酸素欠乏危険作業主任者の職務は酸素欠乏危険場所で,作業員が酸素欠乏や酸素欠乏等の空気を吸入しないように,作業の方法を決定し,指揮することで,空気中の酸素濃度等の測定は含まれていない。
3 事業者は,法令で定められている酸素欠乏危険のおそれのある場所で工事を実施する場合は,作業を開始する前に調査をしておかなければならない。
4 事業者は,酸素濃度等の異常が発生し,作業を中断した後,作業開始する場合,酸素欠乏症の発生するおそれのあるところは空気中の酸素濃度を測定し,また硫化水素中毒症の発生するおそれのある箇所は硫化水素濃度を測定し,許容値以下であることを確認しなければならない。

解答と解説: 

答え--- 3
酸素欠乏症の定義のうち硫化水素濃度10/100万(10ppm)を超える状態もある。
酸素欠乏危険作業主任者の職務には作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を測定することが含まれている。
作業主任者の職務として酸素濃度等を測定し,許容値以下であることを確認しなければならない。
酸素欠乏症等防止規則による酸素欠乏症等とは、酸素及び硫化水素のことをいう。



No26 ISO 9000ファミリー規格の品質マネジメントシステムに関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 マネジメントへのシステムアプローチでは,相互の関連するプロセスを複数のシステムとして,明確にし,理解し,運営管理することが組織の目標を効果的で効率よく達成することに寄与する。
2 リーダーシップをとるために組織のリーダーは,人々が組織の目標を達成することに十分に参画できる内部環境を作り出し,維持する。
3 マネジメントシステムにおける組織及びその供給者の互恵関係は,双方が互いに独立しており,両者の互恵関係は価値創造能力を高める。
4 顧客重視するために組織は,現在及び将来の顧客ニーズを理解し,顧客要求事項を満たし,顧客の期待を越えるように努力する。

解答と解説: 

答え--- 1
システムアプローチでは,相互の関連するプロセスを一つのシステムとして,運営管理することが組織の目標を効率よく達成することに寄与する。


No27 構造物の品質管理を進めるうえで,品質特性を選定する場合の留意点に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 品質特性は,異常となる要因を把握しやすく,工程の状態を総合的に表すものを選ぶものとする。
2 代用特性を品質特性として用いる場合は,目的としている品質との関係が明確であるものを選ぶものとする。
3 品質特性は,工程に対して処置をとりやすい特性で,時間をかけても結果が得られるものを選ぶものとする。
4 品質特性は,設計図及び仕様書に定められた構造物の品質に重要な影響を及ぼすものを選ぶものとする。

解答と解説: 

答え--- 3
品質特性とは、品質を構成する要素をいう。工程でなく材料の管理に使用される。

No28 IS A 5308に従うレディーミクストコンクリートにおいて,その使用が認められていない骨材はどれか。
なお,それぞれの骨材について対応するJIS規格が存在する場合は,それらの規格を満足していることを前提とする。
1 電気炉酸化スラグ骨材
2 再生骨材M
3 アルカリシリカ反応性試験の結果が”無害でない”と判定される砕石
4 人工軽量骨材

解答と解説: 

答え--- 2
再生骨材にはH・M・Lの区分があり、付着モルタルの除去程度によりHは、ほぼモルタルを取り除いたもの、Mはある程度取り除いたもの、Lは粉砕しただけと分けられている。
JIS A 5308の生コンには再生骨材の使用は認められていない。
再生骨材を利用したコンクリートはリバースコンクリートまたは再生骨材コンクリートと呼ばれており、適用部位に制約がある。



No29 道路舗装の品質管理における施工対象と品質検査項目及びその検査方法との組合せとして,次のうち適当でないものはどれか。
[施工対象] [品質検査項目] [検査方法]
1 粒度調整路盤 ……… 修正CBR ……… CBR 試験
2 セメント安定処理路盤 ……… 粒度 ……… 骨材のふるい分け試験
3 瀝青安定処理路盤 ……… アスファルト量 ……… アスファルト抽出試験
4 石灰安定処理路盤 ……… 締固め度 ……… 砂置換法による路盤の密度の測定

解答と解説: 

答え--- 1
粒度調整路盤は砕石・砂利のみでなく、砂・シルト質粘土・砂粘土混じり砂利等を加えて改良した路盤のこと。
CBR試験は路床材、路盤材の選択に用いるもので、シルト質粘土などは一般的に使用されない。

No30 受注者が自主的に行うアスファルト舗装の品質管理に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 工程能力図にプロットした管理結果が管理の限界をはずれていたが,試験頻度を変えずに施工を継続した。
2 作業員や施工機械などの組み合わせを変更したので,試験頻度を増すとともに新たな組み合わせによる品質の確認を行った。
3 密度や含水比などの測定では,管理の合理化をはかるために非破壊で測定する機器を用いた。
4 作業の進行に伴い,管理の限界を十分満足できることがわかったので,それ以降は試験頻度を減らした。

解答と解説: 

答え--- 1
管理結果が管理の限界をはずれた場合、原因を探り、又、試験頻度は多くして一層注意した品質管理が必要


No31 エポキシ樹脂塗装鉄筋コンクリートの施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 エポキシ樹脂塗装鉄筋の現場施工時の塗膜に損傷がないかを目視により確認し,損傷が認められた場合には適切に補修しなければならなく,その補修を要する塗膜損傷の許容値は5mm2以上である。
2 打継目が直射日光に曝される期間が累積して3ヶ月以上に及ぶときは,エポキシ樹脂塗装鉄筋を紫外線劣化や飛散砂などによる物理的損傷から保護するため,シートやテープなどを施さなければならない。
3 現場受入れ検査により塗膜に損傷が見つかった場合には,エポキシ樹脂塗装鉄筋に用いられている塗装との相性を考慮した塗装,ホットメルト材料,収縮材料,防食テープなどの補修材を選定しなければならない。
4 コンクリートの締固めは,1箇所当たりの振動時間は通常より短く,できるだけ内部振動機をエポキシ樹脂塗装鉄筋に接触しないよう配慮しポリウレタンなどで内部振動機を被覆することも損傷の発生防止に効果的である。

解答と解説: 

答え--- 1
エポキシ樹脂塗装鉄筋の皮膜損傷検査は、目視確認により行う。目視確認により塗膜損傷面積が1mm2 以上の箇所は、補修用塗料を筆やハケを使用して補修し、皮膜損傷検査は、受け入れ検査時点と、補強材立て込み前の2回行なわなければならない。

No32 JIS A 1155コンクリートの反発度の測定に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 測定箇所の厚さが100 mm未満の小寸法の場合は,補正係数を乗じて反発度を求める。
2 測定箇所は,部材の縁部から最小でも10 mm 離れたところから選定する。
3 リバウンドハンマが測定面に常に直角になるよう保持しながら,ゆっくりと押して打撃を起こさせる。
4 測定面に仕上げ層や上塗り層があっても,これを取り除いて測定してはならない。

解答と解説: 

答え--- 3
測定箇所は100mm以上の厚さがある床版・壁にて実施すること。コンクリート表面に塗装がある場合は取り除き、凸凹がある場合は研磨装置などで平滑に仕上げること。
1か所の測定は出隅から3cm以上入ったところで実施すること。



No33 建設工事に伴う環境保全対策として次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 工事の説明会では,地域住民の環境保全対策への理解を深めるため,原則として工事の着手後に工事の目的,工事内容などについて説明し,理解を得ることとする。
2 建設工事周辺地域の生活環境を損なわないように,住民の生活に影響の少ない時間帯を作業時間とし,低騒音,低振動の建設機械の整備を適正に行うものとする。
3 現場の施工条件に適した機種の選定は,経済性,施工性,安全性はもとより,騒音や振動による環境問題の重要性を認識して決定する。
4 工事用車両による沿道交通への障害を防止するためには,工事現場周辺の道路における交通量,通学路などの有無,迂回路の状況について事前に十分調査する。

解答と解説: 

答え--- 1
工事の説明会を着手後に行うのはちょっと考えればわかるでしょうがNGです。着工前に実施しなければいけません。

No34 廃棄物の最終処分場に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 遮断型最終処分場では,環境省令で定める基準に適合しない有害物質を含む燃えがら,ばいじん,汚泥を処理できる。
2 管理型最終処分場では,安定型産業廃棄物以外の廃棄物が混入し,又は付着するおそれのないように必要な措置を講じた,紙くず,繊維くず,廃油を処理できる。
3 管理型最終処分場では,公共の水域及び地下水を汚染するおそれのある廃棄物で環境省令で定める措置を講じた燃えがら,ばいじん,汚泥を処理できる。
4 安定型最終処分場では,安定型産業廃棄物の廃プラスチック類,ゴムくず,金属くず,ガラスくず,木くずを処理できる。

解答と解説: 

答え--- 4
安定型最終処分場は廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、建設廃材、ガラスくず、陶磁器くずを処分するところ。
木材は腐朽が生じるので適当でない。

No35 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)に関する下記の文章の  に当てはまる適切な語句の組合せとして,次のうち適当なものはどれか。
建設リサイクル法は,コンクリート,木材その他建設資材などの について,その分別解体等及び再資源化等を促進するための措置を講ずるとともに,解体工事業者について登録制度を実施すること等により,再生資源の十分な利用及び廃棄物の減量等を通じて,資源の有効な利用の確保及び廃棄物の適正な処理を図り,もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
対象建設工事の又は自主施工者は,工事に着手する日の7日前までに解体工事をする場合,解体する建築物等の構造や工事着手の時期及び工程の概要等を に届け出なければならない。
(イ) (ロ) (ハ)
1 建設資材  ………  発注者  ………  国土交通大臣
2 建設資材  ………  受注者  ……… 都道府県知事
3 特定建設資材  ………  受注者  ……… 国土交通大臣
4 特定建設資材  ………  発注者  ……… 都道府県知事

解答と解説: 

答え--- 4
建設リサイクル法は、特定建設資材について適正な処理を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
対象建設工事の発注者又は施工者は,工事着手の7日前までに解体する建築物等の構造や工事時期、工程の概要等を都道府県知事に届け出なければならない。
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