平成22年度 2級土木施工管理技術検定試験  種別:鋼構造物塗装 学科試験問題 Page2

※ 問題番号No.1〜No.18 までの18 問題のうちから16 問題を選択し解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No 10 上塗り塗料に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 上塗り塗料の主たる機能は,着色や光沢など所要の外観が得られることと,水や酸素の塗膜内への浸透を抑制することである。
2 塗膜の色や光沢の耐久性は,着色顔料と樹脂の性能に支配されるので,美観保持のため塗膜の色相や光沢を長期間保持する場合は,着色顔料と樹脂は耐候性のよいものを選定する。
3 フッ素樹脂塗料は,耐候性,耐水性,耐薬品性,耐熱性に優れ,塗膜硬度も高いので,塗膜の色や光沢を長期間保持する際に適用される。
4 有機着色顔料は,オレンジや黄色の色相を得る際,鉛・クロムを含む着色顔料の使用を避けるために使用されるが,隠ぺい力が優れているので,上塗りの膜厚を薄くすることができる。

解答と解説: 

答え--- 4

一般的に有機着色顔料は隠ぺい力は小さい。

No 11 塗料を構成する成分に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 溶剤は,樹脂を硬化させる機能を有しており,塗付後は蒸発して塗膜を形成しないが,塗付時の作業性や塗膜の仕上りへの影響が大きい。
2 顔料は,樹脂とともに塗膜を形成する成分であり,その機能には塗膜の着色(着色顔料)と防せい(錆)効果(防せい(錆)顔料)の付与や塗膜の物性の制御(体質顔料)などがある。
3 添加剤は,塗料の乾燥を促進させ,顔料の沈殿を防ぎ,塗付時の発泡や流れを防いだり,塗膜の平滑性を付与したりする。
4 樹脂は,顔料と練り合わされ塗付され乾燥して塗膜を形成するが,塗膜性能に与える影響が大きいので,腐食環境や使用目的に応じて選定される。

解答と解説: 

答え--- 1
溶剤は塗膜形成助要素があるが、樹脂ワニス類のように樹脂を硬化させる成分はない。

No 12 塗替え塗装における素地調整に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 素地調整程度1種は,動力工具によるもので付着油分,水分,塵あいなどを除去し,素地調整の効果は最も優れている。
2 素地調整程度2種は,動力工具で塗膜及びさびを全面除去して鋼材面を露出させるものである。
3 素地調整によって生じた旧塗膜のケレンダストには,有害物質が含まれることはないので,まとめて可燃物として処分できる。
4 旧塗膜上に100 mg/m2以上の塩分が付着していると塗装後早期に塗膜欠陥を生じやすいので,水洗などで塩分を除去することが望ましい。

解答と解説: 

答え--- 2
素地調整程度は、1種から4種まであり、1種が最も丁寧に表面処理をする。
素地調整程度2種は発錆のはなはだしい面で、動力工具、手動工具を併用し、鉄肌が現れている程度なので正しい。
素地調整程度1種は、旧塗膜、さび、ミルスケールを完全に除去し、金属光沢の鉄の地肌が完全に出る程度なのでショットブラスト処理まで実施。
旧塗膜のケレンダストにも鉛系塗料もあるので可燃物として処分することは危険。
旧塗膜上にの塩分が付着している場合は高圧水などにより塗面に付着している塩分などの付着物を除去し乾燥させる。塗膜欠陥でなく、本体の発錆が促進される。

No 13 塗料の可使時間と希釈に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 多液形塗料には,主剤,硬化剤,金属粉などを混合後一定の可使時間を経過後に使用するものがある。
2 塗料を塗装作業時の気温,塗付方法,塗付面の状態に適した塗料粘度に調整する場合は,塗料に適したシンナーで希釈する。
3 多液形塗料は,主剤,硬化剤,金属粉などを混合すると徐々に反応が進行して固化するので,可使時間内に使用する。
4 塗料粘度が高すぎると乾燥不良によるちぢみや膜厚の不均一を生じやすくなり,シンナーで希釈して粘度が低くなりすぎると塗膜が薄くなって付着力低下や隠ぺい力不足になる。

解答と解説: 

答え--- 1
可使時間を経過後に使用するのは塗料ではあまり無い。可使時間以内に使用するの誤り。

No 14 溶融亜鉛めっき面の塗装に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 スィープブラスト処理は,溶融亜鉛めっき表面の付着物を除去するとともに表面粗度を確保するのに有効な方法で,ISO Sa2 程度に仕上げる方法である。
2 溶融亜鉛めっき面の塗装には,安定した塗膜の密着性を確保するため素地調整が極めて重要である。
3 溶融亜鉛めっき面の塗装の目的には,景観調和,補修困難な構造物への耐久性の付与,厳しい腐食環境での長期耐久性の保持がある。
4 りん酸塩処理は,亜鉛めっき表面に不活性なりん酸塩の緻密な結晶を形成させて,塗装面をめっき面よりも化学的に安定で,かつ塗膜付着性がよい適度な粗さを得ることができる。

解答と解説: 

答え--- 1
スィープブラスト処理は、ミルスケールなどの除去には用いず、一次プライマーの清掃や無機質ジンクリッチペイントとの付着性を強固にする目的で塗膜表面を軽くブラストする方法である。
ISO Sa2程度の仕上げとは、「拡大鏡なしで、表面には、ほとんどのミルスケール、さび、塗膜、異物及び目に見える油、グリース、泥土がない。残存する汚れのすべては、固着している。」定義なので、誤り。

No 15 塗付作業を行う場合の塗料の粘度と希釈に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 エアレススプレーを使用して無機ジンクリッチペイントの塗装を行う場合は,専用シンナーで希釈率10%以下にして使用する。
2 塗料の粘度が低すぎると,乾燥不良によるちぢみや膜厚の不均一を生じやすくなる。
3 塗料の希釈にどのようなシンナーを使用しても,ゲル化したり樹脂が析出したりすることはない。
4 塗料の粘度は,一般に常温(20 ℃)において希釈して使用するように製造管理されている。
 

解答と解説: 

答え--- 1
乾燥不良によるちぢみや膜厚の不均一は、塗料の粘度がい場合の不良。
「どのようなシンナー」は乱暴な言い方です。適材適所ですね。
塗料の粘度測定条件は20℃であるが、希釈使用するためではない。

No 16 タッチアップ塗装に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 塗膜の損傷部が小さく鋼材面が露出していない部分は,損傷部とその周辺の塗膜面を活性化し,塗り重ねられる塗料が付着しやすくする。
2 部材の運搬,架設などの過程で塗膜に損傷を生じた場合に,エアレススプレーで補修塗りを行うことをタッチアップ塗装という。
3 部材の運搬や架設中に生じた塗膜損傷部のタッチアップ塗装は,現場継手部の塗装と合わせて行うのが一般的である。
4 工場で上塗りまで塗装している場合は,補修した下塗り塗膜の上に中塗り,上塗りを塗装系に従って塗付する。

解答と解説: 

答え--- 2
タッチアップ塗装は普通、ハケなどで塗装するものでエアスプレーは用いない。


No 17 溶接部の塗装に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 水素膨れを防止するには,溶接直後の塗装を避け,水素が十分に放出されてから塗装を行う。
2 溶接部に発生している赤さびを除去しないで塗装する場合は,塗装の前に酢酸溶液で中和処理し乾燥後に塗装する必要がある。
3 溶接部には,局所的に溶接棒の被覆剤の物質が付着するので,その部分に赤さびが発生する。
4 溶接直後に塗装する場合は,溶接部を加熱して残存する拡散性水素を少なくしてから塗装することが必要である。

解答と解説: 

答え--- 2
さびを除去しないで塗装することは、さびの再発になる。酢酸溶液で中和処理では意味が無い。

No 18 塗膜の欠陥状態とその対応に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 色や光沢のむらを防止するには,調合時に十分にかくはんし,希釈率を小さくするのが一般的である。
2 塗料の付着が悪くはじきが発生した場合は,溶剤拭きなどを行い同種の塗料で塗り直しをする。
3 ピンホールの発生を防止するには,高温時の塗付を避け,塗料の粘度を上げる。
4 塗膜下に水分が入り膨れが発生した場合は,スクレーパーやサンドペーパーなどで塗膜を除去し,同種の塗料で塗り直しをする。

解答と解説: 

答え--- 3
ピンホールは下塗りの乾燥が不十分な時に発生する。高温時はタレ、流れが考えられる。


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