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※ 問題番号No.1 からNo.14までの14問題は必須問題です。全問題を解答してください。


No1 環境に配慮した建築計画及び地球環境に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 事務所用途の建築物の二酸化炭素排出量をライフサイクルでみると、一般的に、設計・建設段階、運用段階、改修段階、廃棄段階のうち、設計・建設段階が全体の過半を占めている。
2 代替フロンであるHFCは、オゾン層を破壊しないが、地球の温暖化に影響を与える程度を示す地球温暖化係数(GWP)は二酸化炭素より大きい。
3 酸性雨は、大気中の硫黄酸化物や窒素酸化物が溶け込んで酸性となった雨のことで、湖沼や森林の生態系へ悪影響を与えるほか、建築構造物にも被害を与える。
4 ZEBとは、大幅な省エネルギー化の実現と再生可能エネルギーの導入により、室内環境の質を維持しつつ年間一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物のことである。

解答と解説: 

答え--- 1
建築物の二酸化炭素排出量をライフサイクルで見ると、建物としての運用が全体の7割程度占める。設計建設は10〜15%程度である。


No2 冬期暖房時における外壁の室内側表面結露及び内部結露に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 室内側より屋外側の面積が大きくなる建物出隅部分は、他の部分に比べ室内側の表面温度が低下するため、表面結露を生じやすい。
2 窓ガラス表面の結露対策として、カーテンを掛け、窓ガラスを露出させないことが有効である。
3 繊維系断熱材を施した外壁における内部結露を防止するため、断熱材の室内側に防湿層を設ける。
4 外壁を構成する仕上げ材の内部空隙における水蒸気分圧を、その点における飽和水蒸気圧より低くすると、内部結露を防止することができる。

解答と解説: 

答え--- 2
窓ガラス表面の結露対策では、ガラス部分の断熱性が必要。カーテン程度では特に関係ない。


No3 排水の水質に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 ヒ素、六価クロム化合物等の重金属は毒性が強く、水質汚濁防止法に基づく有害物質として排水基準が定められている。
2 BODは、河川等の水質汚濁の指標として用いられ、主に水中に含まれる有機物が酸化剤で化学的に酸化したときに消費する酸素量をいう。
3 ノルマルヘキサン抽出物質含有量は、油脂類による水質汚濁の指標として用いられ、ヘキサンで抽出される油分等の物質量をいう。
4 TOCは、水の汚染度を判断する指標として用いられ、水中に存在する有機物中の炭素量をいう。

解答と解説: 

答え--- 2
酸化剤で化学的に酸化したときに消費する酸素量はCOD、化学的酸素要求量のこと。BODは生物化学的酸素要求量で、水中の微生物が必要とする酸素量である。


No4 流体に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 キャビテーションとは、流体の静圧が局部的に飽和蒸気圧より低下し、気泡が発生する現象をいう。
2 カルマン渦とは、一様な流れの中に置いた円柱等の下流側に交互に発生する渦のことをいう。
3 流体の粘性による摩擦応力の影響は、一般的に、物体の表面近くで顕著に現れる。
4 粘性流体の運動に影響を及ぼす動粘性係数は、粘性係数を流体の速度で除した値である。

解答と解説: 

答え--- 4
動粘性係数は、粘性係数を流体の密度で除した値である。


No5 図に示す水平な管路内を空気が流れる場合において、A点とB点の間の圧力損失ΔPの値として適当なものはどれか。
ただし、A点における全圧は80 Pa、B 点の静圧は10 Pa、B 点の流速は10 m/s、空気の密度は1.2 kg/m3 とする。
1 5Pa
2 10Pa
3 15Pa
4 20Pa

解答と解説: 

答え--- 2
B点の動圧は、Pd=V2/2×p=102/2×1.2=60pa
の圧力損失ΔP=A点全圧-B点動圧-B 点の静圧=80-60-10=10Pa




No6 流体に関する用語の組合せのうち、関係のないものはどれか。
(A) (B)
1 ダルシー・ワイスバッハの式 ---- 圧力損失
2 ベンチュリー管 ---- 流量測定
3 トリチェリの定理 ---- 毛管現象
4 ウォーターハンマー ---- 水柱分離

解答と解説: 

答え--- 3
トリチェリの定理は容器にあけた穴から飛び出す速度であり、毛細管現象とは関係ない。


No7 熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 固体や液体では、定圧比熱と定容比熱はほぼ同じ値である。
2 気体を断熱圧縮させた場合、その温度は上昇する。
3 結晶が等方性を有する固体の体膨張係数は、線膨張係数のほぼ3倍である。
4 圧縮式冷凍サイクルでは、蒸発温度を低くすれば、成績係数は大きくなる。

解答と解説: 

答え--- 4
蒸発温度を低くすれば、成績係数は小さくなる。


No8 伝熱に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
 
1 等質な固体壁内部における熱伝導による熱移動量は、その固体壁内の温度勾配に比例する。
2 自然対流は、流体の密度の差により生じる浮力により、上昇流や下降流が起こることで生じる。
3 物体から放出される放射熱量は、その物体の絶対温度の4乗に比例する。
4 固体壁表面の熱伝達率の大きさは、固体壁表面に当たる気流の影響を受けない。

解答と解説: 

答え--- 4
固体壁表面の熱伝達率の大きさは、壁の表面に当たる風速が大きいほど、大きい。


No9 湿り空気に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
 
1 湿り空気を固体吸着減湿器(シリカゲル)で減湿する場合、湿り空気の状態変化は、一般的に、乾球温度一定の変化としてよい。
2 湿り空気を水噴霧加湿器で加湿する場合、湿り空気の状態変化は、近似的に湿球温度一定の変化としてよい。
3 湿り空気を蒸気加湿器で加湿する場合、湿り空気の状態変化における熱水分比は、水蒸気の比エンタルピーと同じ値としてよい。
4 熱水分比とは、湿り空気の状態変化における比エンタルピーの変化量の絶対湿度の変化量に対する比をいう。

解答と解説: 

答え--- 1
湿り空気をシリカゲルで減湿する場合、水分を吸着・吸収する際に熱が発生する。この吸着熱・吸収熱によって乾球温度が上がることで、相対湿度が下がる。


No10 音に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
 
1 同じ音圧レベルの2つの音を合成すると、音圧レベルは約3dB 大きくなる。
2 人の可聴範囲は、周波数では概ね20〜20,000 Hzであるが、同じ音圧レベルの音であっても3,000 〜4,000 Hz 付近の音が最も大きく聞こえる。
3 NC曲線で示される音圧レベルの許容値は、周波数が高いほど大きい。
4 点音源から放射された音が球面状に一様に広がる場合、音源からの距離が2倍になると音圧レベルは約6dB低下する。

解答と解説: 

答え--- 3
NC曲線で示される音圧レベルは、騒音dBに比例して大きくなる。人間の聴音感覚では周波数が高い(高音)になるほどうるさく感じにくくなるため、同じ騒音dBであっても許容値は周波数が大きいほど小さくなる。




No11 低圧屋内配線工事に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 厨房内の電動機用配線工事において、金属管と金属製ボックスを接続するボンド線(裸銅線)を省略する。
2 三相3線200 Vの電動機用配線工事において、金属管にD種接地工事を施す。
3 合成樹脂で被覆した機械器具に接続する三相3線200 Vの電路において、漏電遮断器(ELCB)を省略する。
4 CD管(合成樹脂製可とう電線管)を直接コンクリートに埋め込んで施設する。

解答と解説: 

答え--- 1
金属管相互、金属管とボックスは堅ろうに接続し、電気的に完全に接続する。省略できない。


No12 低圧の三相電動機の保護回路に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 過負荷及び欠相を保護する回路に、保護継電器と電磁接触器を組み合わせて使用する。
2 配線用遮断器と電磁開閉器を組み合わせた回路において、過負荷に対して、電磁開閉器より配線用遮断器が先に動作するように設定する。
3 スターデルタ始動の冷却水ポンプの回路に、過負荷・欠相保護継電器(2Eリレー)を使用する。
4 全電圧始動(直入始動)の水中モーターポンプの回路に、過負荷・欠相・反相保護継電器(3E リレー)を使用する。

解答と解説: 

答え--- 2
三相電動機の過電流遮断器との保護協調は、原則として次のとおりである。
(1)電磁開閉器と遮断器の合成保護特性が、電動機と電線の熱特性の下側にあること。
(2)定格負荷運転時の定常電流や始動電流で、保護機器が動作しないこと。
(3)過電流遮断器は十分な遮断容量を持つこと。
(4)過負荷領域では電磁開閉器が遮断器よりも先に動作すること。
(5)電磁開閉器の遮断可能電流以上の領域は過電流遮断器が動作し、電磁開閉器を保護すること。


No13 鉄筋コンクリート造の壁の開口補強及び梁貫通孔に関する記述のうち、適当でないものはどれか。
1 壁の開口補強には、鉄筋に代えて溶接金網を使用することができる。
2 小さな壁開口が密集している場合、その全体を大きな開口とみなして開口補強を行うことができる。
3 梁貫通孔の径の大きさは、梁せいの1/3以下とする。
4 2つの大きさの異なる梁貫通孔の中心間隔は、梁貫通孔の径の平均値の2倍以上とする。

解答と解説: 

答え--- 4
梁貫通孔が並列する場合の中心間隔は、孔の径の平均値の3倍以上とする。


No14 図に示す単純梁の2点に集中荷重Pが作用する場合の曲げモーメント図として、適当なものはどれか。
1
2
3
4

解答と解説: 

答え--- 3
荷重の掛かる位置までは直線的比例で上り、単純梁Pが同じ値なら、その間は変化しない。曲線になるのは等分布荷重の場合である。






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