平成22年度 1級土木施工管理技術検定試験  午前問題(問題A) Page2

※ 問題番号No.16〜No.49 までの34 問題のうちから10 問題を選択し解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
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No16 鋼道路橋に用いられる耐候性鋼材に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 耐候性鋼材で保護さび層を形成させるには,架設現場などで鋼材の表面に塩分が付着するのを避け,万一,過度の塩分付着が確認された場合は,入念に水洗いを行い除去する。
2 現地に架設後床版コンクリート打設までの期間が長期に及ぶ場合には,耐候性鋼材の雨水のかかりによるさびむらを避けるため,あらかじめ耐候性鋼用表面処理剤を塗布する。
3 箱げた橋の箱げた内部は,気密ではなく結露や雨水進入により湿潤になりやすいので,耐候性鋼材を使用しても,内面は一般鋼材と同様の塗装をするのがよい。
4 耐候性鋼材の黒皮の除去には,原板ブラストによる方法と製品ブラストによる方法があり,原板ブラストによる製品は,製品ブラストによる製品に比べると汚れが少なくさびの均一性に優れている。

解答と解説: 

答え--- 4
原板ブラストによる製品は,接部及びひずみ取り部等の防食性能が製品ブラストと比べ劣る。

No17 コンクリートのワーカビリティーと耐久性確保のための配合設定に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 同一スランプのコンクリートでは,細骨材率が大きいほど単位水量は減少する傾向にある。
2 単位水量は,コンクリートの品質や耐久性を大きく左右するため,その上限値は175 kg/m3を標準とする。
3 同一スランプのコンクリートでは,砕石を用いる場合は川砂利を用いる場合に比べて単位水量が増える。
4 同一スランプのコンクリートでは,粗骨材最大寸法が40 mmの場合は粗骨材最大寸法が15 mmの場合と比べて単位水量を減らせる。

解答と解説: 

答え--- 1
同一スランプのコンクリートでは,細骨材率が大きいほど単位水量は増加する傾向にある。

No18 コンクリート構造物の劣化機構に対する補修工法の組合せとして次のうち,適当でないものはどれか。
[劣化機構] [補修工法]
1 塩害 …… 電気防食工法
2 アルカリシリカ反応 …… 再アルカリ化工法
3 凍害 …… 断面修復工法
4  化学的侵食 …… 表面被覆工法

解答と解説: 

答え--- 2
アルカリシリカ反応による補修は膨張に対する拘束が効果的である。
表面被覆工法及び含浸材塗布工法が適当である。

No19 エポキシ樹脂塗装鉄筋の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 エポキシ樹脂塗装鉄筋とコンクリートとの付着強度は,同一条件では無塗装鉄筋と同じであるので,重ね継手の重ね合せ長さも同じとする。
2 エポキシ樹脂塗装鉄筋のガス圧接継手は,溶接時に有害なヒュームを発生する樹脂もあるので,圧接端面の塗膜を除去し作業時の環境などを考慮する。
3 エポキシ樹脂塗装鉄筋に使用するスペーサは,エポキシ樹脂塗膜に損傷を与えない材質で防せい(錆)加工されたものを用いる。
4 エポキシ樹脂塗装鉄筋の組立は,塗膜の損傷がないか目視により確認し,損傷が確認された場合には判定基準の内容により施工する。

解答と解説: 

答え--- 1
エポキシ樹脂塗装鉄筋の重ね継手長さは、コンクリートの付着強度を無塗装鉄筋の85%として求めてよい。

No20 鋼橋の溶接継手の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 完全溶込み開先溶接で溶接線が応力方向に直角でない場合の有効長は,応力に直角な方向に投影した長さとする。
2 完全溶込み開先溶接で部材の厚さが異なる場合の理論のど厚は,両部材厚さの平均値とする。
3 すみ肉溶接の理論のど厚は,継手のルートを頂点とする二等辺三角形の底辺のルートからの距離とする。
4 すみ肉溶接の有効長は,まわし溶接を行った場合のまわし溶接の長さは含まないものとする。

解答と解説: 

答え--- 2
母材の板厚と同じであるので、平均値でない。


No21 河川堤防の軟弱地盤上の盛土に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 軟弱層が厚い地盤の上に堤防を築造する場合は,圧密沈下量が大きくなるため一般にサンドマット工法が用いられる。
2 載荷重工法の施工では,プレロードの量,放置期間及び除去の時期などを沈下管理により判定する。
3 緩速載荷工法による盛土では,基礎地盤がすべり破壊や側方流動を起こさない程度の厚さで徐々に盛土を行う。
4 盛土の施工工程の修正は,理論計算によって求めた沈下量の経時変化と計測結果とを比較して行う。

解答と解説: 

答え--- 1
サンドマット工法は、圧密沈下を促進するために用いる工法。圧密沈下量を大きくしたくない場合に用いる工法ではない。

No22 河川の多自然(型)護岸の施工に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
1 かご系護岸は,屈とう性があり,かつ空隙があるため,かごの上に現場発生土を覆土しても植生の復元が期待できない。
2 覆土は,現場発生土を利用して植生が繁茂する厚さを確保し,敷均し後十分締め固める。
3 練石張工法では,目地は浅目地として植物繁茂の効果が期待できる。
4 空石張工法では,流体力に対しての安定性を検証の上,石のかみあわせを十分に行う。

解答と解説: 

答え--- 4
空石張工法は、適度な空隙が小生物・昆虫・植物などの生態系に対して配慮される環境型工法。よって「石のかみあわせを十分に行う」の記述は適当とはいえない。


No23 河川の柔構造樋門に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 柔構造樋門は,樋門本体の不同沈下対策として地盤の沈下に伴う樋門の沈下を少なくするため,あらかじめ函体を上げ越しして設置することは避ける。
2 柔構造樋門で許容残留沈下量を超過する場合は,地盤改良を併用し,残留沈下量を許容残留沈下量以下に抑制する。
3 柔支持基礎は,基礎の沈下を構造物が機能する適切な範囲まで許容しつつ安定させるものである。
4 函体の継手は,キャンバー量及び残留沈下量を考慮した函体の変位量に対応できる水密性と必要な可とう性を確保する。

解答と解説: 

答え--- 1
柔構造樋門の沈下対策として、函体施工時にあらかじめ沈下量分計算の上で上げ越し設置する。沈下量と同程度のキャンバー盛土などを実施することが多い。


No24 砂防えん堤の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 砂礫基礎で支持力が不足する場合は,えん堤の堤底幅を広くして応力を分散させたり,杭基礎,ケーソン基礎を施工する。
2 基礎の一部に弱層,風化層,断層などの軟弱部を挟む場合は,軟弱部をコンクリートで置き換えて施工する。
3 えん堤下流部の洗掘を防止するためには,えん堤基礎をできるだけ浅く施工する。
4 基礎の透水性に問題がある場合は,グラウトなどの止水工事により改善を図り,また,パイピングに対してはえん堤の堤底幅を広くしたり,止水壁,カットオフなどを施工する。

解答と解説: 

答え--- 3
洗掘防止には、えん堤基礎をできるだけ深く施工する。

No25 流路工の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 護岸の法線は,河床勾配,流向,出水状況などを考慮するが,法線の湾曲が著しい場合は,地形条件の範囲内でできるだけ湾曲を緩和して,なめらかになるように施工する。
2 計画河床幅が狭く流域面積が2km2以下の小規模な渓流では,現河床材料では計画河床勾配の維持が困難と考えられることから,底張りコンクリートを施工する。
3 河床を安定させるためには,流路工の上下流端に落差工や護床工などを設けずに,流入する土砂を速やかに流下させる。
4 支川が合流する場合は,合流点付近での洗掘や堆積を生じさせないよう,支川の縦断勾配を本川にあわせるための落差工を合流点直上流の支川に施工する。

解答と解説: 

答え--- 3
河床の安定には減勢工を設けることが必要。流路工の上下流端に落差工や護床工などを設けることは減勢工に有効である。

No26 地すべり防止工事の杭工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 基礎地盤のグラウトは,基礎地盤の風化や軟弱化を防止するために,杭と孔壁との間にグラウトパイプを挿入し,基礎地盤のき裂及び孔壁と杭間をモルタルグラウトにより充てんする。
2 曲げ杭の根入れ長は,地すべり面における曲げモーメント第1零点までの長さの1.5倍程度として施工する。
3 せん断杭の根入れ長は,基礎地盤の強度により原則として杭の全長の1/4〜1/3として施工する。
4 単列の杭工を施工する場合は,基盤の破損を避けるために孔壁間の距離は1m未満を原則とし,配列は地すべりの運動方向に沿って,等間隔になるよう施工する。

解答と解説: 

答え--- 4
単列の杭工を施工する場合、基盤の破損を避けるために孔壁間の距離は1m以上確保する必要がある。
細かい配列は基盤が破壊する場合がある。

No27 アスファルト舗装道路の混合物の敷均し,締固めに関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 仕上げ転圧は,締め固めた舗装表面の不陸修正,ローラマークの消去のため行うものであり,タイヤローラやマカダムローラを用いて行う。
2 敷均し中の混合物に降雨による水が残った場合は,アスファルト混合物のはく離を発生させる原因となることから,敷均し作業を直ちに中止し,敷き均した混合物を速やかに締め固める。
3 アスファルト混合物層の均一な敷均しは,アスファルト舗装の所定の平坦性を確保する上で重要である。
4 アスファルト混合物の敷均しにあたっては,使用アスファルトの温度粘度曲線に示された最適締固め温度を上回らないよう温度管理に注意する。

解答と解説: 

答え--- 4
敷均し時の温度は120〜150℃程度。一般に110 度を下回らないよう温度管理に注意する。


No28 アスファルト舗装道路の下層路盤の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 粒状路盤材料やセメント,石灰による安定処理路盤材料を使用する場合には,締固め時の含水比が最適含水比付近となるように注意して締固めを行う。
2 セメント又は石灰安定処理路盤材料の敷均し機械には,一般にスクレープドーザが用いられ,所定の仕上り厚さとなるよう余盛を考慮して均一な厚さとなるよう施工する。
3 セメント安定処理路盤の場合には,締固め後の補修が困難であるので,締固め不足や仕上り面の不陸が生じないよう入念に行う。
4 石灰やセメントによる安定処理路盤の場合は,水分が蒸発してひび割れが生じたり強度増進が阻害されないように,その上の層を施工するまで路盤面はアスファルト乳剤などでプライムコートを行う。

解答と解説: 

答え--- 2
セメント又は石灰安定処理路盤材料の敷均し機械には,一般にスタビライザが用いられる。

No29 半たわみ性舗装道路の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 セメントミルクの注入は,一般に母体となるアスファルト混合物層の表面温度が70〜90 ℃で行う。
2 半たわみ性舗装に用いるアスファルト混合物は,セメントミルクの注入が確実に行えるよう空隙率の大きい開粒度アスファルト混合物とする。
3 セメントミルクの注入深さが不均一となる場合は,注入量が不足している部分に応力が集中し,ひび割れが発生する危険性がある。
4 セメントミルクに用いられる各種セメントの交通開放までの一般的な養生時間は,普通ポルトランドセメントで約3日,早強ポルトランドセメントで約1日,超速硬セメントで約3時間である。

解答と解説: 

答え--- 1
アスファルト舗装施工直後にセメントミルクの注入を行う場合、舗装表面の温度が50℃以下で行う。


No30 排水機能を有するアスファルト舗装道路の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 タイヤローラによる仕上転圧は,転圧温度が高すぎるとタイヤにポーラスアスファルト混合物が付着しやすく,空隙つぶれの生じる懸念もあることから,ポーラスアスファルト混合物の表面温度が100〜110℃程度になってから行うのが望ましい。
2 タックコートには,原則としてゴム入りアスファルト乳剤を使用し,散布量は,一般に0.4〜0.6リットル/m2を標準に均一に散布する。
3 ポーラスアスファルト混合物の締固めには,ロードローラ,タイヤローラなどを用いるが,振動ローラを無振で使用してロードローラの代替機械とすることもある。
4 ポーラスアスファルト混合物は,粗骨材が多いのですりつけが難しく,骨材も飛散しやすいので,すりつけ最小厚さは粗骨材の最大粒径以上とする。

解答と解説: 

答え--- 1
仕上げ転圧の温度は80度前後。


No31 アスファルト舗装道路の補修工法に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 ひび割れの程度が大きい場合は,路床,路盤の破損の可能性が高いので,オーバーレイ工法より打換え工法が望ましい。
2 流動によるわだち掘れや線状に発生したひび割れが著しい箇所の補修を行う場合には,一般に表面処理工法が用いられる。
3 薄層オーバーレイ工法の縁端部は,一般にすり付け処理とするが,供用後のはく脱を防止するため,タックコートを施すことが望ましい。
4 既設舗装の表層,基層,路盤などの破損が局部的に著しいと判断されたときは,一般に局部打換え工法が用いられる。

解答と解説: 

答え--- 2
線状に発生したひび割れ補修は、線状打換え工法などが採用される。
表面処理法は既設舗装の上に加熱アスファルト混合物以外のものを3cm未満の封かん層を設ける工法

No32 道路の普通コンクリート舗装の施工及び補修に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 初期ひび割れの防止対策で横収縮目地をダミー目地とする場合には,打込み目地又はカッタ目地とし,カッタ目地とする場合にはできるだけ早期に切削する。
2 初期ひび割れの処置としては,舗設したコンクリートがまだ固まらないうちに,比較的小さな乾燥によるひび割れや沈下ひび割れが発見された場合はコテなどで修復する。
3 コンクリート版を打換える場合の取壊しは,版1枚を最小単位として行う。
4 コンクリート版を打換える際の既設版と打換え版とが接する縦目地は,普通丸鋼の径13 mmで差し筋により連結する。

解答と解説: 

答え--- 4
普通丸鋼の差し筋では全く接続されていることにはならない。切削の上プレートボルトで接続する。

No33 ダムコンクリートに関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
1 中庸熱ポルトランドセメントを用いたダムコンクリートは,普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートに比べて水和熱が小さく,初期強度が大きい。
2 ダムコンクリート用骨材の品質は,密度,吸水率,粗粒率その他必要な項目で管理され,密度及び吸水率は骨材の物理的な品質を示す指標となる。
3 ダムコンクリートの温度ひび割れを抑制するには,打設が完了したコンクリート部材内外の温度差が大きくならないように配慮する必要がある。
4 ダムコンクリートは,作業に適するワーカビリティーが得られる範囲で,できるだけ硬練りコンクリートとする。

解答と解説: 

答え--- 1
中庸熱ポルトランドセメントの初期強度は小さい。

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