平成24年度 1級建築施工管理技術検定試験  午後問題 Page1

問題番号〔N0.46〕〜〔N0.70〕までの25問題は,全問題を解答してください。
解答及び解説で疑問を持ったら即調べてみましょう。
自分で調べた方が絶対に頭に入ります。
Google
No46 事前調査や準備作業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 根切り計画に当たって、地中障害物の調査のみならず、過去の土地利用の履歴も調査した。
2 建物の位置と高さの基準となるベンチマークは、複数設置すると誤差を生じるおそれがあるので、設置は1箇所とした。
3 山留め計画に当たって、敷地内の試掘を実施し、湧出する地下水の水質調査を行った。
4 地下水の排水計画に当たって、公共ますの有無と下水道の排水能力を調査した。

解答と解説: 

答え--- 2
ベンチマークは、移動や沈下の恐れがない場所に設置するが、何らかの事情で移動するかもしれない保険として複数設置することがある。(位置により見通し出来ない場合もあるので複数設置する)


No47 仮設工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 鉄筋コンクリート造の工事であったので、ゲートの有効高さは、空荷時の生コン車が通過できる高さとする計画とした。
2 溶接に使用するガスボンベ類の貯蔵小屋の壁は、1面を開口とし、他の3面は上部に開口部を設ける計画とした。
3 作業員の仮設男性用大便所の便房の数は、同時に就業する男性作業員60人以内ごとに1個以上設置する計画とした。
4 仮設の照明設備において、常時就業させる場所の作業面の照度は、普通の作業の場合、100 lx 以上とする計画とした。

解答と解説: 

答え--- 4
常時就業させる場所の作業面の照度は150lx 以上とする。精密な作業では300lx、粗な作業で70lx以上である。



No48 逆打ち工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 大規模、大深度の工事では、地上と地下の工事を併行して施工することにより全体として工期短縮ができる。
2 不整形な平面形状の場合は、土圧の伝達が確実に行われにくいため適用できない。
3 1階の床を先行して施工するため、地下工事の騒音を抑制できる。
4 躯体を山留め架構として利用するため、沈下、移動など周辺地盤に与える影響が少ない。

解答と解説: 

答え--- 2
逆打ち工法とは、本設の床梁を山留め支保工として利用しながら、地下躯体を上階から下階へと掘削と躯体の構築を順次繰り返していく工法。地下工事と地上工事を併行して進めることが出来る為、工期短縮が図れる。又、騒音、粉塵など周辺環境への影響も少ない



No49 工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 プレキャストコンクリート床部材を積み重ねて平置きとする場合は、上部の部材の台木と下部の部材の台木の位置は同じになるようにする。
2 フローリング類を屋内のコンクリートの上に置く場合は、シートを敷き、角材を並べた上に積み重ねて保管する。
3 輸送荷姿が木箱入りのガラスは、60 °程度の角度で立置きとし、異寸法の木箱が混ざる場合は、小箱を先に置き、大箱を後から直接重ねて保管する。
4 メタルカーテンウォールを集中揚重・分離取付けとする場合の部材の保管場所は、小運搬距離や経路上の障害に配慮し確保する。

解答と解説: 

答え--- 3
板ガラスについては、立置きとし、振動による倒れを防止するため、室内の柱等の構造躯体にクッション材を当て、ロープ掛けにより固定する。
異寸法の木箱が混ざる場合、基本小箱は後に置く。ガラスは重量があるので破損に留意する。


No50 「労働安全衛生法」上、事業者が所轄の労働基準監督署長へ計画の届出を行う必要があるものはどれか。
1 耐火建築物に吹き付けられた石綿等の除去
2 延べ面積が10,000 m2 で高さが13 m の工場の解体
3 支柱の高さが3.0 m の型枠支保工の設置
4 組立てから解体までの期間が30日の張出し足場の設置

解答と解説: 

答え--- 1
石綿等が吹き付けられているものにおける石綿等の除去の作業を行う仕事は届出が必要(労働安全衛生規則第90条5の3)
つり足場、張出し足場、高さ10m以上の足場の設置は、組立てから解体までの期間が60日未満のものは届出不要(労働安全衛生規則第84条の2)
高さが31mを超える解体工事は届出が必要(労働安全衛生規則第90条1号)
型わく支保工は除外(労働安全衛生規則第89条1号)


No51 躯体工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 親杭横矢板工法において、横矢板が親杭のフランジからはずれないように、桟木又はぬきを横矢板の両側に釘で止める計画とした。
2 鉄骨の建方において、建入れ直しに用いたワイヤロープは、各節、各ブロックの現場接合が終わるまで緊張させたままにしておく計画とした。
3 コンクリート打放し仕上げの独立柱の型枠組立てにおいて、セパレーターを使用しないで、コラムクランプを用いてせき板を締め付ける計画とした。
4 コンクリートの打設計画において、同一打込み区画に同じメーカーのセメントを使用した複数のレディーミクストコンクリート工場のコンクリートを打ち込む計画とした。

解答と解説: 

答え--- 4
同一打込み区画には、2つ以上のコンクリート工場のコンクリートが打ち込まれないようにすること。(公共建築工事標準仕様書、6.4.1(5))



No52 仕上工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
ただし、仕上げを施す下地はコンクリート面とする。
1 乾式工法による外壁石張り工事において、石材をダブルファスナー形式で取り付けるので、石材裏面と下地コンクリート面の間隔を70 mm とする計画とした。
2 タイル工事において、外壁タイル張り面の伸縮調整目地の位置は、下地コンクリートのひび割れ誘発目地と一致させる計画とした。
3 左官工事において、内壁のモルタル塗り厚さが20 mm なので、3回塗りとする計画とした。
4 内装工事において、せっこうボードをせっこう系接着材による直張り工法で張り付けるので、一度に練る接着材は、2時間以内に使い切れる量で計画した。

解答と解説: 

答え--- 4
せっこう系接着材で一度に練る接着材は、1時間以内に使い切れる量とすること。
2時間以内に使い切れる量は貧調合モルタル系下地材の練り時間だが、専用セメント系の材料だと、モルタル系でも1時間以内に使い切れる量とする商品も多い。


No53 工程計画の立案に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 工事を行う地域の労務や資材の調達状況、天候や行事、隣接建造物の状況などを考慮する。
2 工期が指定され、工事内容が比較的容易でまた施工実績や経験が多い工事の場合は、積上方式(順行型)を用いる。
3 同一設計内容の基準階を多く有する高層建築物の工事においては、タクト手法などを用いる。
4 算出した工期が指定工期を超える場合、クリティカルパス上に位置する作業を中心に、作業方法の変更、作業者の増員、工事用機械の台数や機種の変更などの検討を行う。

解答と解説: 

答え--- 2

積上積算方式は詳細な作業や個々の機械の運転に関する歩掛に、機械損料・資材単価・労務単価を乗じて単価表を作成し、これらの単価表を積上げるものである。直接工事費と間接工事費が別々となっているため、工事目的物と価格との関係が不明確であり、積算業務や労務単価等の調査に労力・時間がかかる。

割付積算方式(逆行型)重要な工種から工程を割り付け、それを制約とし、他の工種を決定していく方式で、工期が指定され、過去の積算データを活用できるなら割付方式を採用するほうが良い。
類似方式として施工単価方式(ユニットプライス形)もある。受注者と発注者がユニット毎に合意した価格をデータベース化し、実績のデータベースを基にした単価を用いて積算を行う方式である。



No54 図に示す鉄骨の工場製作の工程において、工程とその中で行われる作業の組合せとして、最も不適当なものはどれか。
1 工作図の作成  -----  けがき
2 素材加工  -----  摩擦面の処理
3 部材組立  -----  寸法・開先精度の確認
4 溶接接合  -----  ひずみ矯正

解答と解説: 

答え--- 1
けがきは素材加工前の作業である。


No55 ネットワーク工程表におけるフロートに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 トータルフロートが0の作業をつないだものが、クリティカルパスである。
2 ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を与えるフロートである。
3 トータルフロートは、フリーフロートからディペンデントフロートを引いたものである。
4 フリーフロートは、その作業の中で使い切っても後続作業のフロートに全く影響を与えない。

解答と解説: 

答え--- 3
トータルフロートは、最遅開始時刻で作業を始め最遅完了時刻で作業が完了した場合に生ずるフロートである。
フリーフロートは、後続作業に影響を与えない余裕時間を指す。
ディペンデントフロートは、後続作業には影響を与えるが、全体工程には影響しない余裕時間を指す。
よって、トータルフロートはフリーフロート(F・F)とデペンデントフロート(D・F)を合計したものである。


No56 鉄筋コンクリート造事務所ビルの基準階の型枠工事の工程を検討する場合、次の条件における型枠工の1日当たりの必要人数として、正しいものはどれか。
条件
基準階床面積 ----- 600 m2
単位床面積当たりの型枠数量 ----- 4 m2/m2
型枠面積当たりの歩掛り ----- 0.1 人/m2
実働日数 ----- 15日
1 14 人
2 16 人
3 18 人
4 20 人

解答と解説: 

答え--- 2
600÷15=40m2/日
40×4×0.1=16人



No57 JIS Q 9000(品質マネジメントシステム─基本及び用語)の用語の定義に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 品質マニュアルとは、組織の品質マネジメントシステムを規定する文書をいう。
2 顧客満足とは、顧客の要求事項が満たされている程度に関する顧客の受けとめ方をいう。
3 是正処置とは、起こり得る不適合又はその他の望ましくない起こり得る状況の原因を除去するための処置をいう。
4 レビューとは、設定された目標を達成するための検討対象の適切性、妥当性及び有効性を判定するために行われる活動をいう。

解答と解説: 

答え--- 3
是正処置は不適合の再発を防止する処置である。
起こり得る不適合又はその他の望ましくない起こり得る状況の原因を除去するための処置は予防処置である。



No58 品質管理における精度に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 鉄骨工事において、スタッド溶接後のスタッドの傾きの許容差を、15 °以内とした。
2 コンクリート工事において、コンクリート部材の設計図書に示された位置に対する各部材の位置の許容差を、±20 mm とした。
3 コンクリート工事において、ビニル床シート下地のコンクリート面の仕上がりの平坦さを、3 m につき7 mm 以下とした。
4 カーテンウォール工事において、プレキャストコンクリートカーテンウォール部材の取付け位置の寸法許容差のうち、目地の幅については、±5 mmとした。

解答と解説: 

答え--- 1
スタッド溶接後の仕上り高さが±2o以内で、傾きが5度以内が適切。

前のページへ TOP 次のページへ
平成24年度1級建築施工管理技士 学科午前問題No1
学科午前問題No2
学科午前問題No3
学科午後問題No1
学科午後問題No2
学科午後問題No3
実地問題