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※ 問題番号〔No.16〕〜〔No.48〕 までの33 問題のうちから15 問題を選択し解答してください。


No16 火力発電の熱サイクルに関する次の記述に該当する用語として、適当なものはどれか。
「高圧タービンで断熱膨張した蒸気をボイラに送り、過熱して蒸気の湿り度を少なくし再び低圧タービンに送り膨張させ、熱効率を向上させる熱サイクル」
1 再生サイクル
2 再熱サイクル
3 ランキンサイクル
4 カルノーサイクル

解答と解説: 

答え--- 2
問題文のものは再熱サイクルが適当。
再生サイクルは復水器で排熱を回収して熱効率を向上させるサイクルをいう。
ランキンサイクルは熱機関の理論サイクル
カルノーサイクルは温度の異なる2つの熱源の間で動作する可逆熱サイクル


No17 水力発電に用いる水車に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 フランシス水車には、ランナの出口から放水面までの接続管として吸出し管が設置される。
2 フランシス水車は、負荷が変化しても効率は、ほぼ一定である。
3 ペルトン水車のノズル内には、負荷に応じて使用流量を調整するためのニードル弁が設けられる。
4 ペルトン水車は、急激な負荷変化でも水圧管内の圧力上昇を抑制することが可能である。

解答と解説: 

答え--- 2
フランシス水車は、水の流量や落差・負荷の変化によって、効率の変動が大きい。


No18 変電所に用いられるガス絶縁開閉装置(GIS) の特徴に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 気中絶縁に比べて小型化が可能であり、その小型化の効果は電圧が高いほど大きい。
2 露出充電部がなく外気の影響を受けにくいため、信頼性が高い。
3 内部事故の場合、事故部分を一括取替することにより、気中絶縁に比べて迅速な復旧が可能である。
4 規模に応じて、組立調整、熱伸縮吸収、地震時の過渡変位吸収などのために伸縮継手が必要となる。

解答と解説: 

答え--- 3
内部事故の場合、密閉構造で点検が困難なため、内部事故の際には復旧に時間がかかる。


No19 電力系統の保護継電方式の基本的な考え方として、最も不適当なものはどれか。
1 事故の発生及び事故点を検出し、遮断器に遮断指令を与える。
2 事故除去のための遮断区間を必要最小限にとどめ、余分な区間までの停止を避ける。
3 隣り合った保護区間は保護範囲が重ならないようにして、事故を検出する。
4 主保護が何らかの原因で不動作となっても事故が除去できるよう、後備保護を検討する。

解答と解説: 

答え--- 3
設備ごとに事故除去リレーを設置する場合には保護範囲を部分的に重複させ無保護部分がないようにする。



No20 電力系統の供給信頼度の向上対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 大容量機器は信頼度が高いため、大容量機器を少数設置する。
2 系統どうしを互いに並列化して運転する。
3 発電機、変圧器などの機器は、できる限り並列接続する。
4 機器の定期点検は、負荷が最大になる時期に集中しないように計画する。

解答と解説: 

答え--- 1
大容量機器であっても故障は発生する。大容量機器を少数設置するより小規模のものを多く設置するほうが故障時に交換切り替えが容易なので好ましい。





No21 架空送電線における支持点間の電線のたるみの近似値D〔m〕及び電線の実長の近似値L〔m〕を求める式の組合せとして、正しいものはどれか。
ただし、各記号は次のとおりとし、電線支持点の高低差はないものとする。

 S: 径間〔m〕
 T: 電線の最低点の水平張力〔N〕
 W: 電線の単位長さ当たりの重量〔N/m〕
たるみ 実長
1
2
3
4

解答と解説: 

答え--- 4
たるみと実長の式は、


である。

No22 架空送電線路のフラッシオーバに関する記述として、不適当なものはどれか。
1 鉄塔逆フラッシオーバを防止するため、埋設地線を施設する。
2 がいし表面が塩分などで汚損されると、交流に対するフラッシオーバ電圧が上昇する。
3 径間逆フラッシオーバを防止するため、架空地線のたるみを電線のたるみより小さくする。
4 アークホーン間隔は、遮断器の開閉サージでフラッシオーバしないように設定する。

解答と解説: 

答え--- 2
がいし表面が損されるなら、その部分の絶縁抵抗は小さくなり電流が流れやすくなる。そうなると雷などの異常電圧によるフラッシュオーバ電圧は小さくなる。


No23 送電系統のフェランチ現象に関する次の記述のうち、 に当てはまる語句の組合せとして、適当なものはどれか。
「フェランチ現象は、送電線路のこう長が ほど著しくなり、同じ長さの場合 の方が発生しやすい。」
1 長い 地中ケーブル
2 長い 架空電線
3 短い 地中ケーブル
4 短い 架空電線

解答と解説: 

答え--- 1
フェランチ現象は、送電線路のこう長が 長い ほど著しくなり、同じ長さの場合地中ケーブル の方が発生しやすい。



No24 架空送電線における電線の微風振動防止対策として、不適当なものはどれか。
1 アーマロッドを取り付ける。
2 電線を太線化する。
3 ダンパを取り付ける。
4 電線の張力を大きくする。

解答と解説: 

答え--- 4
張力が大きいは、逆に微風振動が生じやすい。送電線の径間が大きいことも振動が生じやすい。
ほかは微風振動防止対策として正しい。


No25 低圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において、分散型電源を自動的に解列しなければならない事象として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、定められていないものはどれか。
1 分散型電源の単独運転又は逆充電
2 連系している電力系統における高調波の発生
3 分散型電源の異常又は故障
4 連系している電力系統の短絡事故、地絡事故又は高低圧混触事故

解答と解説: 

答え--- 2
連系している電力系統における高調波の発生は定められていない。




No26 図に示すマーレーループ法により地中送電線の地絡故障点を検出する場合、地絡故障点までの距離x〔m〕を表す式として、正しいものはどれか。
ただし、各記号は次のとおりとする。

G:検流計
L:ケーブルの長さ〔m〕
x:地絡故障点までの距離〔m〕
a:抵抗辺が 〜1 000 で目盛られている場合の抵抗辺の読み
1
2
3
4

解答と解説: 

答え--- 1
測定場所から地絡故障点までの距離をx、故障していない側から右の短絡箇所から故障点までの距離は、2L-aとなる。
検流計Gが0(ブリッジ平衡)を示すなら、対辺同士の抵抗が等しくなるので故障点までの長さも2L-aとなると考える。

x = (2aL/1000) となる。

No27 配電系統に発生する電圧フリッカの抑制対策に関する記述として、不適当なものはどれか。
1 発生源への電力供給を専用線あるいは専用変圧器で行う。
2 アーク炉用変圧器に直列に可飽和リアクトルを挿入する。
3 発生源へ電力を供給している電源側のインピーダンスを増加させる。
4 アーク炉などフリッカ負荷がある場合は三巻線補償変圧器を設置する。

解答と解説: 

答え--- 3
電圧降下はインピーダンスに比例する。よって電圧フリッカを防ぐにはインピーダンスを減少させる。



No28 屋内全般照明の光束法による照度計算に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1 室指数が小さいほど、照明率は小さくなる。
2 下面カバー付照明器具は、下面開放形照明器具と比較して、保守率は小さくなる。
3 天井面の反射率が大きいほど、照明率は大きくなる。
4 作業面から光源までの高さが高いほど、室指数は大きくなる。

解答と解説: 

答え--- 4
室指数は部屋の 面積/(室(間口+室奥行)× 作業面まで高さ)
で求める。
作業面までの高さが分母側なので、高さが高いほど室指数は小さくなる。


No29 フロアヒーティングに関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、不適当なものはどれか。
1 発熱線に電気を供給する電路の対地電圧は、200 Vとした。
2 発熱線に電気を供給する電路には、配線用遮断器及び漏電火災警報器を施設した。
3 発熱線と電線の接続部分の収納には、鋼板製ボックスを使用した。
4 屋内エントランスホールに施設する発熱線の温度は、80 ℃を超えないようにした。

解答と解説: 

答え--- 2
漏電火災警報器でなく、漏電遮断器の誤り


No30 低圧電路に施設する過電流遮断器の性能等に関する記述として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、不適当なものはどれか。
ただし、低圧電路は、電動機のみに至る低圧分岐回路とする。
1 過負荷保護装置は、電動機が損傷するおそれがある過電流を生じた場合に、自動的にこれを遮断すること。
2 短絡保護専用ヒューズは、定格電流の1.3倍の電流に耐えること。
3 短絡保護専用遮断器は、整定電流の1.2 倍の電流で0.2秒以内に動作しないこと。
4 過電流遮断器として、過負荷保護装置と短絡保護専用遮断器を組み合わせて使用する装置は、専用の一の箱の中に収めること。

解答と解説: 

答え--- 3
短絡保護専用遮断器は, 次の規格に適合するものであること。
イ 定格電流の 1 倍の電流で自動的に動作しないこと。
ロ 整定電流は,定格電流の 13倍以下であること。
ハ 整定電流値の 10倍の電流を通じた場合において,0.2秒以内に自動的に動作すること。

よって、低圧電路における遮断器は、定格電流の 1倍の電流で自動的に動作してはならない。


No31 図に示す電動機を接続しない分岐幹線において、分岐幹線保護用過電流遮断器を省略できる分岐幹線の長さと分岐幹線の許容電流の組合せとして、「電気設備の技術基準とその解釈」上、適当なものはどれか。
分岐幹線の長さ 分岐幹線の許容電流
1 5 m 70 A
2 7 m 90 A
3 9 m 110 A
4 11 m 130 A

解答と解説: 

答え--- 2

分岐幹線の過電流遮断器を省略できる条件は、
a 原則分岐点から3m以内に過電流遮断器を設置する。
b 3m以上、8m未満 主幹遮断器の定格電流の35%以上の場合。
c 8m以上 主幹遮断器の定格電流の55%以上の場合。
定格電流250Aの35%は87.5A、55%は137.5Aなので
許容電流が超えているのは7 m 、90 Aの組み合わせである。


No32 キュービクル式高圧受電設備の構造に関する記述として、「日本産業規格( J I S)」上、不適当なものはどれか。
1 配線の引込口、引出口のすき間をふさぐために、厚さ2mmの合成樹脂製のプレートを取付けた。
2 屋外用の本体及び扉は、標準厚さ2.3 mmの鋼板を用いた。
3 盤側面の通気孔部分に、孔径が直径9 mmのパンチングメタルを用いた。
4 収納機器の充電部の取付高さは、屋内用にあっては外箱の底面から150 mm以上の高さとした。

解答と解説: 

答え--- 1
キュービクルの配線の引込口、引出口の隙間を塞ぐために取り付けるプレートは、厚さ1.6 mm以上の金属製のもの又は厚さ3 mm以上の不燃性若しくは難燃性の材料のものとする。
なので合成樹脂で2mmは不足である。



No33 キュービクル式高圧受電設備の接地回路に関する記述として、「日本産業規格( J I S)」上、不適当なものはどれか。
1 接地電線及び接地母線は、低圧絶縁電線を使用する。ただし、接地母線には、銅帯を使用することができる。
2 外部の接地工事と接続する接地端子は、外箱の扉を開いた状態で、漏れ電流を安全に測定できるように取り付ける。
3 外箱のない高圧機器で鉄心が露出している計器用変圧器、変流器類は、鉄心にA種接地工事を施す。
4 B 種接地工事の接地端子は、外箱と接続し、他の接地端子とは容易に取外しできる導体で連結できる構造とする。

解答と解説: 

答え--- 4
B種接地工事の接地端子は,外箱と絶縁し,他の接地端子とは容易に取外しできる導体で連結できる構造とする。外箱と接続が誤り。





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