土木専門  トンネル工事 2


NATM工法

NATMの掘削工法に関して適当でないものはどれか。
1 ロングベンチ工法は,地山が比較的良好で,施工中インバートの閉合が必要でない場合に適用される。
2 ショートベンチ工法は,中断面以上で土砂地山から硬岩地山,さらに膨張性地山まですべての地山に適用される。
3 多段ベンチ工法は,火中断面で切羽の自立が困難な地山,あるいは適用機械の高さが不足する場合に適用される。
4 サイロット工法は,小断面で比較的地盤が良好で,地表沈下が制限されていない場合に適用される。
解答 (4)
サイロット工法は比較的大きな断面で地山の支持力が不足する場合等。

吹付けコンクリートの作用効果
トンネルエ事における支保工部材のうち,吹付けコンクリートの主な作用効果として適当でないものはどれか。
1 内圧効果
2 地山アーチ形成
3 応力集中緩和
4 初期支保効果

Google
解答 (4)
初期支保効果は関係ない。
トンネルの施工
トンネルの施工に関する記述のうち適当でないものはどれか。
1 掘削後,地山の自立が確保できるような地質では,吹付コンクリート,ロックボルトエなどが用いられるが,これも支保工と考えてよい。
2 膨張性地山の掘削は,なるべく断面を分割して行う工法を採用するのがよい。
3 爆破効果をあげるためのしん抜き方式のうち,バーンカットはしん抜きの各孔を水平にしかも平行にせん孔するものである。
4 覆工のひび割れ防止のため,吹付けコンクリートの凹凸の大きな箇所では,防水シート等で縁切りを行う。
解答 (2)
膨張性の地山では,断面の分割ができるだけ少ない工法を採用する。

解説
NATM(標準)工法
1 全断面では掘削できないが,半断面であれば切羽が保てる場合には,上半を掘削しながら下半を追従して掘削するベンチカット工法が用いられる。上半と下半との長さをベンチ長という。ロングベンチカット工法で100 m 程度,ショートベンチカット工法で30m程度,ミニベンチカット工法で数m程度。
2 NATM工法は,トンネルは地山でもたせ,大きな応力が生じないように弾力性のあるトンネル構造とする工法で,吹付けコンクリート,ロックボルト等を用い,掘削はショートペンチエ法が一般的である
標準工法 適 用 条 件 注  意  点
全 断 面 工 法 掘削断面積60u以上では極めて安定した地山。掘削断面積30uクラスでは,比較的安宝した地山まで可能。 トンネル全長がこの工法で施工可能とは限らないので,ロングベンチ,又は,ミニベンチに切り替える体制を整えておく。







ロングベンチ工法
 (100m以上)
全断面では切羽が自立しない地山。但し,比較的安定しておリ,施工段階途中でインバート閉合の必要のない場合。 地山の状況によっては,施工段階途中でのインバート閉合もあリ得る。
ショートベンチ工法
  (30m程度)
土砂地山から膨張性地山まで,NATMで最も一般的な施工工法。一般には,切羽から30m以内,又は,30日以内にインバートを閉合する。 変形,沈下が著しい場合には,閉合時期を早める必要があるので,最短のベンチ長を検討しておく。
多段ベンチ工法 ショートベンチ工法では,切羽が自立しない場合,地質によっては頂設部を支保してから上半にかかる。 ベンチを多段とすることにより,閉合時期が遅れる。また,変形が大きくなる。
ミニベンチ工法
 (数m程度)
都市トンネルで沈下を抑える場合,また,膨張性地山で,早い時期に全局に支保を施工する場合。 切羽の安定性が最大の問題。上半,下半の併行作業が困難なので,施工速度は低下しやすい。
側壁導坑先進工法
 (サイロット工法)
比較的大きな断面で,地山の支持力が不足する場合,都市トンネルで沈下を抑える場合。 サイロットの断面及び間隔を確保するためにある程度の断面が必要。可縮構造としにくいので,膨張性の著しい地山では適用困難。
吹付けコンクリートの作用効果
1 岩盤との付着力・せん断力による抵抗
吹付けコンクリートと岩盤との付着力により,外力を地山に分散させ,割れ目等にせん断抵抗を与える。また,グランドアーチをトンネル壁面近くに形成する(地山アーチの形成)。
2 曲げ圧縮・軸力による抵抗
周辺地山に内圧を与えることにより,地山を三軸応力状態に保持し,地山の強度劣化を防止する(内圧効果)。
3 外力の配分効果
鋼製支保工,ロックボルトに土圧を伝達する版となる。
4 弱層の補強
凹部,弱層を跨いで接着し,応力集中を防ぎ弱層を補強する効果(応力集中緩和)。
5 被覆効果
風化防止,止水,微粒子流出防止等の被覆効果。
トンネルの施工
トンネル掘削で爆破効果をあげるためには,自由面が多い程よい。このため,まずしん抜き発破を行って順次外側に拡げる方法がとられる。バーンカットは,爆薬を装填しない空孔を配置して自由面の作用をさせるようにした工法である。
TOPページへ 実力診断問題ページへ