土木一般 基礎工 2


既製くい

既製くいの施工に開する記述のうち適当でないものはどれか。
1 くいの打込み時にくい体に発生する打撃応力は,ハンマの大きさ,くい周辺の地盤,先端地盤の性質等に関係する。
2 くいの打止め管理は,くいの根入れの長さ,リバウンド量(動的支持力),貫入量,支持層の状態等により総合的に判断する。
3 くいの建込み作業は,くい軸方向を設計で規定された角度で建て込み,トランシットで一方向から検測した後,くいの打込みを開始する。
4 試験くいは,本くいと別に施工することは少なく,通常は最初に施工する本くいを用いて実施することが多い。

解答 (3)
くいの建て込み作業は,トランシットで異なる直角二方向からくいの鉛直性を検測した後,くいの打込みを開始する。

打込み困難な場合の対策
既製くいが所定の支持層に達するまでに打込みが困難となる原因と対策に関する記述のうち適当でないものはどれか。
1 中間層を打抜けない場合は,ハンマを大きくしたり,中掘工法を併用するなどの方法がある。
2 支持層が予想より浅い場合は,ボーリングを追加して確認した結果や他のくいの打止り深さなどの状況から判断する。
3 中間層の土の締固め効果が十分ある場合は,くい軸方向支持力は満足するので特段の対策は必要ない。
4 くい先端が破損する原因としては,打込み中に玉石に当った場合などであり,くいの取替えや増しくいが必要である。
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解答 (3)
中間層の土の締固め効果が十分でも、軸方向支持力は満足するとは限らない。

くい基礎の施工に関する記述のうち適当でないものはどれか。
1 プレストレストコンクリートくいの打込み完了後,頭部を切断した場合は,くい頭部を補強処理する必要がある。
2 くいの間隔は,施工性やくいの荷重分担能力が低下しないことを考えて,くい径の2.5倍以上が一般的である。
3 既製くいの打込み工法では,くい打ちに用いたハンマの条件と貫入量,はね上がり量を測定することによって支持力の推定が可能である。
4 斜くいにおける鋼管くいの現場継手溶接の施工は,自重により継手が圧縮を受ける側から開始する必要がある。

解答 (4)
くい長が長くなる場合には,くいを継ぎたして必要な長さとする。継手は溶接又はボルト継手とする。溶接継手はアーク溶接を原則とし,施工は自重により継手が引張りを受ける側から開始する。
解説
既製くいの打込み工法
1 くい基礎は,直接基礎では支持できない軟弱地盤において,上部構造物の荷重を下層支持地盤へ安全に伝え支持する。支持くいは軟弱地盤を貫いて下層の堅い地盤に伝え,摩擦くいはくい周囲摩擦によって荷重を支持し,斜くいは水平荷重に抵抗し,群くいはくい全体を1つの基礎とする。
2 くいの施工法は,打込みくい工法,中掘り工法(以上既製くい)及び場所打くい工法に分けられる。
3 既製くいのうち,打撃工法,振動工法は,騒音・振動等の建設公害が生じ,都市内(指定地域内)での施工は困難である。無騒音・無振動工法として,圧入工法,ジェット工法,プレボーリング工法,中掘り工法などがある。
4 施工方法,ハンマの容量,くいの構造や強さ,打止め位置,打止め貫入量の確認などの予備知識を得るため,くい打ち試験(試験くい)を行う。
 既製くいの打込み方式・特徴

衝 撃 工 法 振動工法 圧入工法 ジェット工法
ディーゼルハンマ スチームハンマ ドロップハンマ バイブロハンマ 油圧式 噴 射
工  法 ディーゼル機関のピストンによる打込み 蒸気圧のピストンによる打込み ハンマの重力落下による打込み 振動体の上下振動による打込み 油圧ジャツキによる圧入 ジェット流による掘進
騒  音 大きい 大きい 大きい 小さい なし なし
振  動 大きい 大きい 少ない 大きい なし なし
施工速度 早い 早い 遅い 普通 普通 普通
特  徴 低燃費,操作容易,機動性よい 打撃力の調整可能 故障が少ない 打込み,引抜き兼用,軟弱地盤によい 打込み,引抜き兼用 打込み,引抜き兼用
欠  点 軟弱層で起動しにくい 火気,ばい煙を出す 偏心しやすい 電気設備が必要
 (11〜150kW)
直細部にしか使用不可 水の設備が必要
打込み困難な場合の対策
1 くいは,試験工事の結果決定された深さで打ち止めるのを原則とする。
2 中間層を打ち抜けない,土の締固め効果が大きい場合の対策は,ハンマを大きくする,中掘り工法の併用,フリクションカッターを先端に付ける。
3 くい先端が破損する場合は,くいの取替えや増しくいをする。
4 支持層が予想より浅い場合は,ボーリングを増やすか,あるいは他のくいの打ち止り深さなどを調査し,判断する。
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